hearthのお気楽洋書多読ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (Twitter: @hearth2016)

The Brain and Emotional Intelligence (Daniel Goldman) - 138冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

著者Daniel Goleman と「Thinking Fast & Slow」のDaniel Kahnemanとを、よくごっちゃにしてしまいます。名前は似ているけど別。

タイトルにあるEmotional intelligence は本来ならEIとでも呼ぶべきなんでしょうが、日本ではIQとの語呂合わせでEQの呼称の方がメジャーになりましたね。 このコラムでは一応EIと呼ぶようにします。 「こころの知能指数」といった通称でも呼ばれているようです。(2011年発刊)


メモポイント
知能指数IQと社会的成功は必ずしもリンクせず、どちらかと言えばEIの方が相関関係の比率が高いとのこと。 単に知能が高いだけでは業績を上げることができない。 何かを成し遂げるために周りの協力を取り付けるには高いコミュニケーション能力や共感能力が優れている必要がある。まあ当然でしょうね。 先日感想を書いた「Outliers 」(136冊目に感想)のエピソードにもありましたが、ズバ抜けた高IQの持ち主でも、必ずしも世間一般でいうところの社会的に高い地位についているとは限らない。 確かIQ195の男性の例が挙げられていましたが、酒場の用心棒などの職歴を経て農場で肉体労働にいそしんでいるんだとか。(もちろん、「社会的地位が高い」 = 「幸せ」とは限りませんが)


● IQとEIの違いは何?
自身の感情の動きを理解して制御したり動機づけを行うことができる。 また他人の感情についても同様に理解できるので人間関係において高いコミュニケーションを発揮したり士気を鼓舞することができる。


1.Self-awareness
– the ability to know one's emotions, strengths, weaknesses, drives, values and goals and recognize their impact on others while using gut feelings to guide decisions.


2.Self-regulation
– involves controlling or redirecting one's disruptive emotions and impulses and adapting to changing circumstances.


3.Social skill
– managing relationships to move people in the desired direction


4.Empathy
– considering other people's feelings especially when making decisions


5.Motivation
– being driven to achieve for the sake of achievement



IQとは異なりEIをスケールで測るのは難しいでしょうね。 著者の基本的な主張は納得できるのですが、EIの高低の数値化には限界があるようです。 科学的に信頼性の高い研究結果にまで展開していくのは難しいだろうと感じました。 しかし仮に数値化できなかったとしても、この本が指し示すところの高EIを目指していけばより豊かな人生を送れるのは間違いないのではないでしょうか。 世にあまたあるビジネス本で説かれるところの「成功」のキーポイントとされる概念との共通点が多いのも納得です。

The Brain and Emotional Intelligence: New Insights (English Edition)

The Brain and Emotional Intelligence: New Insights (English Edition)

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Dear Enemy (Jean Webster) - 「続・あしながおじさん」 - 137冊目

ジャンル: 小説(児童)
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★★☆

あしながおじさん」の続編ですが、本作の主人公はあしながおじさんと結婚した前作の主人公ジュディではなく彼女の親友サリーです。

ぺンディルトン(あしながおじさんのこと)夫人となったジュディは、自身が育ったジョン・グリア孤児院を改革する権利を、パトロンである夫からプレゼントされました。 そしてその改革を進める院長の職を親友のサリーに託します。 裕福で家柄も育ちもよい若きサリーはこの旧態依然として旧習に囚われている孤児院の世話をしぶしぶ引き受けることに。 自分は将来、素敵な恋人(ゴードン)と一緒になり夢の家庭を作るという理想を持っていたサリーでしたが、ツンデレのマックレイ医師や友人のベッツィと力を合わせて孤児院を改革するという仕事がだんだん面白くなり、やがて100人を超える孤児たち一人一人の幸せを母親のように祈るまでになり、たくましく成長していくというお話。(1915年発刊)

原題は「Dear Enemy (親愛なる敵さん)」。 サリーとは水と油でソリの合わない関係でありながら、同じく孤児院の改革に情熱を燃やすマックレイ医師。 そんな彼に対して手紙を送る時の書き出しです。 前作の「あしながおじさん」も愛らしいストーリーではありますが、どちらかというと王子様がどこからか現れて迎えに来るという受動的なストーリー。 本作はサリーが仕事に恋にと悩みながらも、果敢にみずからの道を切り開いていく過程を、前作と同じく手紙のやり取りのみで表現しています。 サリーが書く手紙は若くて元気な女性のみずみずしい感性が溢れており、前作よりもこちらの方が名作という人がいるのも納得です。


メモポイント (ネタバレ注意)

● 前作「あしながおじさん」で紹介したキンドル版は作者ウェブスターの挿絵がないものでした。 で、今回は挿絵付き版です。 このヘタウマイラストがないと魅力が半減。
↓は孤児たちのパンチとサディ。 お招きされた豪邸でパンチが池にハマってサディが横から見てるの図。 沢野ひとしさんの描くような味がある絵です。
f:id:hearthlife:20170522121532p:plain

精神疾患に対する誤解に基づいた記述がかなりキツいです。 現在ではこの差別的表現そのままでは出版できないんじゃないでしょうかね。 「チビクロサンボ」問題のレベルなどをはるかに超えているように感じました。 この時代ではこれが一般常識として認知されていたのでしょう。 この問題のために本作があまり取り上げられなくなっているのだとすれば、かなりもったいないことです。

Five other children have been sent to their proper institutions. One of them is deaf, one an epileptic, and the other three approaching idiocy. None of them ought ever to have been accepted here. This is an educational institution, and we can’t waste our valuable plant in caring for defectives.


● サリーが孤児院から里子を出すときに、彼女自身で決めたルール。 その意気や良し!

I have made one invariable rule—every other is flexible. No child is to be placed out unless the proposed family can offer better advantages than we can give.


● サリーがジュディに書いた手紙。 サリーだって、辛くなって逃げ出したいと思う夜はある。 それでもこんな想いがあるから頑張ることができる。113人の子どもたちを抱き締めたい。

You, my dear witch, cast a spell over me, and I came; but often in the night watches your spell wears thin, and I start the day with the burning decision to run away from the John Grier Home. But I postpone starting until after breakfast. And as I issue into the corridor, one of these pathetic tots runs to meet me, and shyly slips a warm, crumpled little fist into my hand, and looks up with wide baby eyes, mutely asking for a little petting, and I snatch him up and hug him; and then, as I look over his shoulder at the other forlorn little mites, I long to take all 113 into my arms and love them into happiness. There is something hypnotic about this working with children. Struggle as you may, it gets you in the end.


● 後半のヤマ場。 サリーの想いがマックレイ医師(Sandy)に流れはじめた。 彼は苦しそうに伝える。「サリー、私の心が鉄でできているとでも思っていたのですか?」

Poor Sandy looked sort of ashen and haggard and done with life. As I looked at him, I thought about how desperately he worked to save others, and never saved himself, and about that dismal home of his, with never a touch of cheer, and the horrible tragedy in the background of his life. All the rancour I’ve been saving up seemed to vanish, and a wave of sympathy swept over me. I stretched my hand out to him; he stretched his out to me. And suddenly—I don’t know—something electric happened. In another moment we were in each other’s arms. He loosened my hands, and put me down in the big arm-chair. ‘My God! Sallie, do you think I’m made of iron?’ he said and walked out. I went to sleep in the chair, and when I woke the sun was shining in my eyes and Jane was standing over me in amazed consternation.


子供達のことも慈しむが、滅私奉公ではなく、自分らしさを忘れない。 現代女性の理想の働き方がここにあるのでは。 恋と仕事のはざまに悩みながらもユーモアを忘れないタッチは今の時代に読んでもまったく古びておらず生き生きしている。 仕事にがんばる若い女性必読の書。 恋に恋するのではなく、本当に素晴らしいパートナーを選ぶべく悩み続けるサリーが描かれています。
有川浩の「図書館戦争」のような甘酸っぱくてキュンキュンするストーリーが好きという方にはオススメです。

Dear Enemy

Dear Enemy

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Outliers (Malcolm Gladwell) - 「天才! 成功する人々の法則」- 136冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★★★


「一万時間の法則」ってご存知ですか? 本作は有名なこの概念の出どころとなった本です。

邦題は「天才! 成功する人々の法則」。 ちょっと狙い過ぎですねー。 これだと、一山いくらのナンチャッテビジネス本みたいに取られてしまいそう。 内容はもう少しファクトベースに基づいたもので、原題の「Outliers 」の方が本の内容をよく表していると思います。 統計学的に正規分布からかけ離れた特異点となっている「外れ値」のことを指すそうです。
この本の趣旨は、天才を作り上げる話ではなくどのような分野においても皆からかけ離れて傑出した存在となるには、生得の才能はもちろん必要なものの、それを育くむたゆまぬ努力と環境、これら条件がすべて揃わないとダメだよ、と言っているんだと思います。
マルコム・グラッドウェルお得意の膨大な証憑の枚挙により、動かしがたい事実をあぶり出す手法。 文句なしの目ウロコ本で、ページをめくる手が止まりません! (2008年発刊)


メモポイント

● マタイ効果について。 新約聖書のマタイによる福音書にある一節から来ている。 「富めるものはますます富み、貧しき者は持っている物でさえ取り去られるのである」 経済学でも使われる用語だ。 例えば、スポーツ界で大成した選手は、才能だけで今の地位を手に入れたのだろうか? 否、それだけではなく幸運とも言える環境の要素が大きい、と著者は主張する。 「たまたま早く生まれた→ 周りの同学年の子供たちよりも少し身体も大きく成長している→ 指導者から注目される機会が多くなりさらに手をかけてもらえるようになる」という展開だ。 この差のつき方は時とともに加速度を増していく。

“Parents with a child born at the end of the calendar year often think about holding their child back before the start of kindergarten: it’s hard for a five-year-old to keep up with a child born many months earlier. But most parents, one suspects, think that whatever disadvantage a younger child faces in kindergarten eventually goes away. But it doesn’t. It’s just like hockey. The small initial advantage that the child born in the early part of the year has over the child born at the end of the year persists.”


“It is those who are successful, in other words, who are most likely to be given the kinds of special opportunities that lead to further success. It’s the rich who get the biggest tax breaks. It’s the best students who get the best teaching and most attention. And it’s the biggest nine- and ten-year-olds who get the most coaching and practice. Success is the result of what sociologists like to call “accumulative advantage.”



“We do ability grouping early on in childhood...if we look at young kids, in kindergarten and first grade, the teachers are confusing maturity with ability.”


● どんな分野であれ一流になるには一万時間の鍛錬を積まなければならない。 それは漫然と時間を過ごすだけではなく、とてもハードなトレーニングを前提とした一万時間だ。 考えようによっては、このハードトレーニングを一万時間も継続できる人ゆえに「天才」と呼ばれるのかとも思う。 モーツァルトだってビートルズだって、名作を量産できるステージに到達したのは一万時間の鍛錬を経た後の頃だったそうな。

“The idea that excellence at performing a complex task requires a critical minimum level of practice surfaces again and again in studies of expertise. In fact, researchers have settled on what they believe is the magic number for true expertise: ten thousand hours.”
(中略)
“Once a musician has enough ability to get into a top music school, the thing that distinguishes one performer from another is how hard he or she works. That's it. And what's more, the people at the very top don't work just harder or even much harder than everyone else. They work much, much harder.”


● 幸運にせよ、自ら努力で得たものにせよ、理想的な環境が与えられること、そしてその環境下で人並み外れた努力を長期間継続できること、これが才能を開花させるキーとなる。
“We pretend that success is exclusively a matter of individual merit. But there's nothing in any of the histories we've looked at so far to suggest things are that simple. These are stories, instead, about people who were given a special opportunity to work really hard and seized it, and who happened to come of age at a time when that extraordinary effort was rewarded by the rest of society. Their success was not just of their own making. It was a product of the world in which they grew up.”


さて、凡人代表のぼくとして気になるのは、ハードな一万時間の努力を費やすと誰もが「Outliers 」になれるのか、というトコロです。 おそらく答えはノーでしょうね。 天賦の才能は厳然として必要でしょう。 ハンブルグ時代のビートルズと同様に、一日中ステージに立ってハードなスケジュールをこなしていたバンドは他にもあったはずです。 しかし、誰もがレノン&マッカートニーのデビュー当時の鮮烈なメロディーラインを生み出せるとはとても考えられません。

必要条件であって十分条件ではない。 そういうことなんでしょうね。

Outliers: The Story of Success (English Edition)

Outliers: The Story of Success (English Edition)

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Poirot Investigates (Agatha Christie) - 「ポワロ登場」- 135冊目

ジャンル: 小説(推理)
英国難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★☆☆

エルキュール・ポワロを主人公にした最初の短編集。(1924年発刊)
推理小説界のメインストリームであるホームズ物の設定をキッチリと踏襲しています。 上から目線のホームズと書記 & 讃え役ワトソンのコンビ役回りも同じ。 当時のこのジャンルはみんなホームズの影響下にあったということなんでしょう。 ポワロが登場してからまだ日も浅く、彼のキャラクターが確立されていない感が少しあります。 ポワロの緻密な推理力を堪能したいのであれば、「アクロイド殺し(1926年)」(1冊目に感想)や「オリエント急行(1934年)」(101冊目に感想)等の長編の方が良いかもしれません。


メモポイント

● かなり自信たっぷりのポワロ。 「観察力が足りない」と愛すべき相棒をこき下ろすシーンは、もうホームズ物から連綿と続く伝統芸の域に達しています。それにしてもヘイスティングズ大尉は人が良いですね。 ワトソンの方がまだホームズに大事にされてたと思います。 もう少し友人を大事にしなきゃ。

‘Ah! Sacré!’ cried Poirot. ‘Is it that you expect her to promenade herself in the streets of London in a cowboy hat, or with bare feet, and a bunch of curls, as an Irish colleen? Always with you it is the non-essentials! Remember the case of the dancer, Valerie Saintclair.’
I shrugged my shoulders, slightly annoyed. ‘But console yourself, mon ami,’ said Poirot, calming down. ‘All cannot be as Hercule Poirot! I know it well.’
‘You really have the best opinion of yourself of anyone I ever knew!’ I cried, divided between amusement and annoyance.

ひとつひとつが短く軽く読めて英文もそれほど難しくありません。
ちなみに、フランス語のmon ami(我が友)の意味はポワロで、ma belle (僕の可愛い人)はビートルズで、Oui monsieurはスマスマで知りました。

Poirot Investigates (Poirot) (Hercule Poirot Series)

Poirot Investigates (Poirot) (Hercule Poirot Series)

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Surely, You're Joking, Mr. Feynman! (Richard P. Feynman) - 「ご冗談でしょう、ファインマンさん」 - 134冊目

ジャンル: 自伝
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★★★

「オススメ本を敢えて一冊に絞るとすれば?」と誰かに尋ねられたら、散々迷うでしょうが間違いなくトップテンのラインアップに入れると思う本があります。 それは「赤毛のアン」(95冊目に感想)と、この「ファインマンさん」です。 この二冊に出会ったのは社会人になってまもなくの頃でした。 あまりにも気に入ってしまい、原文で読みたいと思ったのが洋書を読み始めるきっかけになりました。 そしてこの「ファインマンさん」を読んだ時に「ああ、もっとこの本と早く出会いたかったなあ。 学校時代にアレだけ毛嫌いしていた科学や数学をもっと違って角度で見ていただろうし、もしかして科学者を目指していたりして…」と遠い目になったもんです…
世間の常識に対しても科学者としての健全な懐疑心を持って本質を見極めようとする潔癖さを持ちつつも、いつまでも少年のような「面白がりでイチビリ」なところも失わなかったファインマンさん。 1965年にノーベル物理学賞を受賞した後もその奔放な生き方は変わりません。 イタズラありユーモアあり、そしてちょっと女の子に弱いという逸話満載のこの本は、「好奇心」と「科学する心」に対する憧れと尊敬の念をぼくに与えてくれました。 ぼくのその後の読書の嗜好にもきっと影響が出ていると思います。(1985年発刊)


メモポイント (ネタバレあり)

● 恋人アーリーンがファインマンさんに常にかけていた言葉。 彼の自由で本質を見ようとする性質は彼女からの影響が大きかった。(この彼女の言葉はのちに出版される作品のタイトルにもなった。邦題は「困ります、ファインマンさん」 こちらも面白い! 以下はこの続編に書かれたエピソードです。)

What Do You Care What Other People Think?

若き恋人アーリーンは病に冒されていた。彼女の命が長くない事を知りながらも、周りの反対を押し切って彼はアーリーンと結婚。 しかし残念ながら彼女は程なく早逝してしまう。 最期まで献身的に支えた続けたファインマンさん。 一人になってからは放心状態になり涙も出なかった。 しばらくしたある日、街を歩いていた彼はショーウィンドウに飾られていたあるワンピースを見かける。
「ああ、アーリーンが好きそうな服だな」
思った途端、初めて涙が溢れ出して止まらなかった。このくだりには読んでいて思わず涙が。


● 周りが自分に対してどう考えていようとそんな事は関係ない。自分を偽らないで。 期待通りにならなくてもそれは相手が悪い。 ぼくの落ち度じゃない。

You have no responsibility to live up to what other people think you ought to accomplish. I have no responsibility to be like they expect me to be. It's their mistake, not my failing.


● 自分を欺いて中途半端に納得してしまう事。これはいけない。 自分自身が一番騙しやすいものだ。

The first principle is that you must not fool yourself—and you are the easiest person to fool. So you have to be very careful about that.


● 趣味で「金庫破り」を覚えるなど、みんなを驚かせることが好きだったファインマンさん。 人に自分のことを天才だと思わせるイタズラもやってました。

I wouldn’t stop until I figured the damn thing out–it would take me fifteen or twenty minutes. But during the day, other guys would come to me with the same problem, and I’d do it for them in a flash. So for one guy, to do it took me twenty minutes, while there were five guys who thought I was a super-genius.


● 印象深いエセ科学の話。 カーゴカルトサイエンスと名付けている。 ウワベの形だけ真似ても意味なし。 どこかの図書館で話題になった洋書ハリボテの飾りのようだ。

I think the educational and psychological studies I mentioned are examples of what I would like to call cargo cult science.
In the South Seas there is a cargo cult of people. During the war they saw airplanes land with lots of good materials, and they want the same thing to happen now. So they’ve arranged to make things like runways, to put fires along the sides of the runways, to make a wooden hut for a man to sit in, with two wooden pieces on his head like headphones and bars of bamboo sticking out like antennas—he’s the controller—and they wait for the airplanes to land. They’re doing everything right. The form is perfect. It looks exactly the way it looked before. But it doesn’t work. No airplanes land. So I call these things cargo cult science, because they follow all the apparent precepts and forms of scientific investigation, but they’re missing something essential, because the planes don’t land.



ボンゴ奏者になったり絵を描いたりと、面白い逸話があり過ぎて、とても全部は紹介しきれません。 読後感は爽やかで本当にオススメです。 できれば出会うのであれば若いうちがいい。 そんな風に思わせてくれる大好きな一冊です。

ちなみに、ぼくはミルクとレモン、混ぜても結構イケますけどね。

"Surely You're Joking, Mr. Feynman!": Adventures of a Curious Character: Adventures of a Curious Character

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Anne of Avonlea (L.M. Montgomery) - 「アンの青春」- 133冊目

ジャンル:小説(児童)
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★★☆

アンブックスの第二巻。 一巻の頃の快活さを持ちつつも、少し大人になったアンに出会えます。
弱冠16歳にして地元の小学校の先生の経験を経て、名門大学への進学を目指すアン。 大好きだったマシューおじさん亡き後、マリラおばさんの心の支えとなるアン。 マリラも随分歳をとって丸くなった。 本当の母と娘のよう。 今回も魅力たっぷりな人々との出会いがいっぱいです。(1909年発刊)


メモポイント (ネタバレ注意)

● 男女双子の孤児ディビーとドーラを引き取ったマリラとアン。 アンとのしばらくの別れの際に、ドーラが上品に一粒だけ涙を流すシーン。 これってアルアル。 小さな頃からシッカリしているこんな女の子いますよね。 それにしても作者のモンゴメリーは、腕白いたずらっ子ディビーと比べて、良い子ちゃんでおとなしいドーラを少し厳しく描き過ぎじゃないかな。 アンの親友ダイアナもそうだけど、平凡だけど良い子だなとおもうんですけどね。


● アンは「腹心の友」のダイアナに語る。 アボンリーに初めてきた頃、知り合いが誰もおらず愛情に飢えていた幼いアンにとって、ダイアナの存在はいかに支えになったことか。 永遠の友となる誓いをたてた二人。 想像力など足りなくても構わない。 かけがえのない友。

“Dear old Jane is a jewel,” agreed Anne, “but,” she added, leaning forward to bestow a tender pat on the plump, dimpled little hand hanging over her pillow, “there’s nobody like my own Diana after all. Do you remember that evening we first met, Diana, and ‘swore’ eternal friendship in your garden? We’ve kept that ‘oath,’ I think…we’ve never had a quarrel nor even a coolness. I shall never forget the thrill that went over me the day you told me you loved me. I had had such a lonely, starved heart all through my childhood. I’m just beginning to realize how starved and lonely it really was. Nobody cared anything for me or wanted to be bothered with me. I should have been miserable if it hadn’t been for that strange little dreamlife of mine, wherein I imagined all the friends and love I craved. But when I came to Green Gables everything was changed. And then I met you. You don’t know what your friendship meant to me. I want to thank you here and now, dear, for the warm and true affection you’ve always given me.”
“And always, always will,” sobbed Diana. “I shall never love anybody…any girl…half as well as I love you. And if I ever do marry and have a little girl of my own I’m going to name her Anne.”


● お互いに惹かれ合う気持ちがあるのに、なかなか進まないアンとギルバートの関係。 本当にヤキモキさせられます。 そしてラストシーン… とても美しい描写です。

相思相愛でありながら少しの誤解によりずっと仲違いしていたミス・ラベンダーとアーヴィング氏が数十年の月日を経てやっと一緒に歩き始める。 それを指して「なんてロマンチックなんでしょう」と夢見がちにアンは語る。 それを受けてギルバート、「確かに素敵だ。でもね、最初から仲違いなどせずに一緒に手をたずさえて共に歩けていた方がどんなに素晴らしかっただろうと僕は思うよ」 幼い頃にアンの赤毛をからかったギルバート。 これが元でずっと意地を張り合っていた自分たちに重ね合わせて語る。ギルバートから向けられる愛おしむような眼差しを見て、アンは自らの気持ちに改めて気づく。 「ロマンスとは燃えさかる情熱的なものではなく、気がつけばずっと寄り添って歩いてきた昔からの友人のようにそっと訪れるものかもしれない」 その瞬間からまわりの景色は昨日までとは違って見えてくる。 アンの心のページは少女から一人の大人の女性へとめくられた。

“Of Miss Lavendar and Mr. Irving,” answered Anne dreamily. “Isn’t it beautiful to think how everything has turned out…how they have come together again after all the years of separation and misunderstanding?”
“Yes, it’s beautiful,” said Gilbert, looking steadily down into Anne’s uplifted face, “but wouldn’t it have been more beautiful still, Anne, if there had been no separation or misunderstanding…if they had come hand in hand all the way through life, with no memories behind them but those which belonged to each other?”
For a moment Anne’s heart fluttered queerly and for the first time her eyes faltered under Gilbert’s gaze and a rosy flush stained the paleness of her face. It was as if a veil that had hung before her inner consciousness had been lifted, giving to her view a revelation of unsuspected feelings and realities.

Perhaps, after all, romance did not come into one’s life with pomp and blare, like a gay knight riding down; perhaps it crept to one’s side like an old friend through quiet ways; perhaps it revealed itself in seeming prose, until some sudden shaft of illumination flung athwart its pages betrayed the rhythm and the music, perhaps…perhaps…love unfolded naturally out of a beautiful friendship, as a golden-hearted rose slipping from its green sheath.

Then the veil dropped again; but the Anne who walked up the dark lane was not quite the same Anne who had driven gaily down it the evening before. The page of girlhood had been turned, as by an unseen finger, and the page of womanhood was before her with all its charm and mystery, its pain and gladness.

二人の仲はやっと次のステージに進もうとしています。 ギルバートはアンの気持ちを大事にして焦らずに待とうと努めます。(Gilbert wisely said nothing more)
そして、次巻に続く。

図書館戦争」の郁と堂上教官も顔負け。ロマンチックが止まらない。

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Blink (Malcolm Gladwell) - 「第1感 - 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい」- 132冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★★☆

マルコム・グラッドウェルの科学読本の一つ。 これはどんどん続きが読みたくなってしまうタイプの面白本。 オススメです。 最初の一瞬で得られる情報量をナメてはいけない! 手間暇かけてやっと導き出した結論よりも、一目見てフッと出した判断の方が正確な場合がある。そんな興味深いエピソードがたくさん紹介されています。 邦題では「最初の2秒」と表現したようですが、具体的な数字を使って印象づけるなんてうまいですね。 (原題「blink」は、まばたき、一瞬の意) (2005年発刊)
ただ注文をつけるとすれば、データ検証の点についてはもう少しページを割いて掘り下げた方がよいかなと感じました。
このジャンルに興味があり、もう少し掘り下げて読みたい方には、 Daniel Kahnemanの「Thinking, Fast and Slow」の方をオススメします。(72冊目に感想書きました)。 この中で説明されている「システム1」の項と結びつきます。



メモポイント
● アメリカの美術館があるギリシャ彫刻を購入した。 科学的鑑定検査を通じてこの彫刻はホンモノであるとのお墨付きがついたものだ。 しかし芸術品に触れるキャリアの長い学芸員たちは一目見て(つまり最初の2秒で)「なんか変」と感じた。 それが何かははっきり表現できないが、とにかく違和感があるというのだ。 果たしてその彫刻は贋作であることが分かった。 無意識下での認知力のスゴさ。

There can be as much value in the brink of an eye as in months of rational analysis.


● 「ひらめき」とは、無意識下で膨大な計算を行なった後に、結論部分のみが意識の上にヒョイと出てくるようなもの。 ただその結論に達した過程を意識的にはトレースできないので、理論立て説明することが難しい。

Did they know why they knew? Not at all. But the Knew!


● 瞬間で目に入る情報量の多さに驚き。 ただそれだけに見た目の情報を過大に信頼してしまうバイアスも大きくなってしまう。 「人は見た目で」とはよく言ったもんですね。 無意識下でくだした判断が必ずしも正しいとは限らないのが悩ましいところ。

In the general American population, 3.9 percent of adult men are six foot or taller. Among my CEO sample, almost a third were six foot two or taller.


● これも「見た目」が…

Testers for 7-Up consistently found consumers would report more lemon flavor in their product if they added 15% more yellow coloring to the package.


● そりゃそうだ。 パッケージをひっくるめての「味のうち」

The entire principle of a blind taste test was ridiculous. They shouldn't have cared so much that they were losing blind taste tests with old Coke, and we shouldn't at all be surprised that Pepsi's dominance in blind taste tests never translated to much in the real world. Why not? Because in the real world, no one ever drinks Coca-Cola blind.


● 多くの夫婦を対象にした調査。 この二人の会話を聞いてみると15年後に離婚するかどうかについて驚くほど正確に予測できるらしい。 どちらかがもう一方に対して軽んじる雰囲気を持っているかどうかで判断できるんだそうな。 パートナーに軽んじられることは大きなストレスと免疫力の低下を引き起こし、どれぐらいの頻度で風邪を引くのかまで分かってしまうそうだ。

Gottman has found, in fact, that the presence of contempt in a marriage can even predict such things as how many colds a husband or a wife gets; in other words, having someone you love express contempt toward you is so stressful that it begins to affect the functioning of your immune system. (中略) the simplest way that respect is communicated is through tone of voice.

「Outliers」や「Tipping Point」など、このマルコム・グラッドウェルの本はどれも面白くオススメです。 特に「Outliers」はイチオシですね。 有名な「一万時間のトレーニングと天才との関係性」の話が書かれています。 また後日に、感想を書きたいと思います。

Blink: The Power of Thinking Without Thinking

Blink: The Power of Thinking Without Thinking

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