ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★★☆
「脳を鍛えるには運動しかない」 あまりにもストレートな邦題。(2008年発刊) 運動すれば脳が活性化されて頭が良くなるって事を「これでもか、これでもか」と多くの事例をあげて訴えた本。 確かにぼくも身体を動かすと頭が冴えてくるのが実感できる。
メモポイント
● 昼休みにエアロビクス、ウエイトリフティングやヨガなどの運動をしている210の参加者に対して次の3点についてのアンケート調査を行った。 同僚との人間関係、時間管理、締切に対する達成度と、運動の効用性についての質問だ。 驚く事に、この3点について全体の65%が運動の効果を認めている。 昼休みにエネルギーを消費しているにも関わらず、彼らは一様にストレスが減り仕事がはかどると答えている。
● ある修道女のエピソード。 彼女は亡くなる直前に受けた脳認知度テストで、全体の上位10%に入る高得点の理解力を示していた。だが死後検査において彼女の脳を調べたところ、海馬から脳皮質までもが重度のアルツハイマー病により損傷していた事が分かった。 更にApoE4という遺伝子変異にも侵されていた。 つまり普通であれば完全に痴呆の状態であった訳だ。それにも関わらず彼女は亡くなる直前まで明晰な頭脳の持ち主であった。 彼女は日々のお勤めを通してとても身体を動かしていたのだ。
● 運動において気をつけるべきこと。 少しきつめの負荷をかけることは大事なのだが、そのペースを30分から1時間も続けられないようであれば、もう少し負荷を軽くする必要がある。 どれぐらいの負荷がベストなのかは個人差がある。
身体と脳の関係は面白い。脳が身体に指示を出す一方通行の関係だと思っていたが、実はそうではなく、身体を動かす事によって脳にも良い影響を与える。楽しいと笑顔になる一方、笑顔でいると本当に楽しくなってくるらしい。
Spark!: How exercise will improve the performance of your brain (English Edition)
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