ジャンル: 自己啓発
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★★★
この本の邦題の「上から目線」具合がどうも好きになれず、ずっと避けていた。 が、英語多読を初めてから試しに手にとってみたら、なんとこれはスゴイ本! もっと早くに読めばよかった。 1937年とかなり古い本だけど内容は現在でも充分に通じる。 自己啓発本は世にあまたあるが、人間関係に関する本でいけばほとんど本作の焼き直しじゃないかと思えるくらいです。
メモポイント(いっぱいあり過ぎて書き出せないが)
● 批判は不毛で危険。言われた側はまず自己正当化しようとする。 批判は内容が正しいかどうかに関係なく人のプライドを傷つけ恨みを買う。 そもそも議論とは必ず負けるようにできている。なぜかって? 議論で言い負かしたとしても相手は反感を持ち期待通りに動いてくれない、つまり結果として負けたようなもんだ。
● 人と接する時には忘れちゃならない事がある。 それは「人は理性的な生き物ではなく、感情の、それも先入観やプライド、虚栄心に突き動かされている生き物だ」といういう事だ。
● あるビジネスでの成功者の話。 「成功の秘訣は何かだって? そうだな… 一切、人を悪く言わなかった事かな。 みんなの良いところを見つけてそれを伝えようにしたんだ」
● フーバーというあるパイロットの話。ある日のフライトで飛行機の整備不良があり危うく大惨事になるところだった。 フライトから戻ったフーバーが整備員の方に歩いてきた。整備員は真っ青。ところが、フーバーは彼を一切責めなかった。代わりに整備員の肩に彼の大きな腕を回して言った。「君の顔を見たら分かる。きっともうこんな事は起きないのは間違いないな。 明日の俺のF-51の整備も頼んだよ」
● シュアウブというある経営者が聞かれた。「専門知識の無いあなたが、よくこのビジネスのトップが務まりますね」「私が高い報酬を貰えているのは、周りの人が熱意を持って上手く動いてもらう能力があるからですよ。その能力が私の一番の宝です。」(松下幸之助も似たような事言ってた)
● 鉄鋼王カーネギーの話。彼は周りの人を讃える事を最期まで続けた。彼の墓碑にはこう刻まれている。「自分よりも能力のある人々に囲まれて仕事をする方法をよく知っていた男。ここに眠る」
● 学校で褒められた事を息子や娘が喜び勇んで報告してきても忙しさにかまけておざなりに聞いていたり、彼等が初めて作ったホットケーキが上手く焼けなかったり初めて作った鳥の巣箱が上手く出来なかったりしても、励ましを怠ったりする事がある。 彼等が聞いて欲しい時に聴く事。
● 自分がいかに大変か、という不満を人に訴えるのは本当に時間のムダ。 他人はあなたに興味無い。 朝昼晩、ずっと自分自身の事だけを考えているもんだ。 みんなそれぞれのシーンで自分自身が重要な人物であると認めてられたいと思っている。人の自尊心を傷つけてはいけない。
● 著者自身が言う。「大学でロジックとディベートを学んだ。それを今度は教鞭をとって教えた事もあり、ディベートに関する本を書こうとした事もあった。そんな経験を経た私が今、議論について出した唯一の結論がこれだ。それは「議論は絶対にするな」という事だ。ガラガラヘビや地震を避けるのと同じようにだ。 相手を論破して頭が良いと認められると同時に嫌われるのと、相手の好意を得るのとどっちを選ぶかだ。二つともは得られない。」
著者は人間の心理を動き方をよーく理解している。 これは「人心掌握マニュアル」。 そうして見れば、嫌いだった「人を動かす」というあの邦題はぴったりだったのかも。
How to Win Friends and Influence People (English Edition)
- 作者: Dale Carnegie
- 出版社/メーカー: Numitor Comun Publishing
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: Kindle版
- 購入: 3人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る