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And Then There Were None (Agatha Christie) - 「そして誰もいなくなった」- 86冊目

ジャンル: 小説(推理)
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★★☆

  タイトルの付け方がうまいな、って本にたまに出会う。  クリスティの「そして誰もいなくなった (And Then There Were None)」もそんな一冊。  原書の当初タイトル「Ten Little Niggers」は差別的との理由で改題になったそうだが、改題後の方がよっぽど良い。  この短い言葉に謎のエッセンスが凝縮されている。(1939年発刊)

  見知らぬ男女10人が孤島に閉じ込められ、一人ずつ殺されていなくなっていくというプロットが秀逸。 映画「エイリアン」を観ているみたいにドキドキもので、横溝正史などにより本作をベースにした派生作品が後世に次々と生まれたのも納得だ。  人によっては「もうこの手のストーリーはありがちで手垢がついてて食傷気味!」という人もいるかもしれない。  でもそれって「シェークスピアって、名言ばっかり引用して案外陳腐だね〜」っていう笑い話の様なもんですよね。 違いますから!    シェークスピアが偉大だからその作品の言葉が名言となって後世になっても使われ続けてるだけ。 多くの派生作品を生み出す起源となった本作はミステリーファンなら押さえておきたい一冊。


● 多くを書くとネタバレになるので気をつけないと…  未読の方はここからは読まないで下さい。

  ラスト直前の章。  最期の一人が残って(つまり本人にすれば殺人犯はもう居ないということになる)「助かったー」と安堵してジ・エンドの字幕を待つのみって感じなんだけど、ところがどっこいまだ恐怖は終わっていなかったというシーン。 これはゾッとして怖かった!   映画「リング」の終盤で、呪いは解けたんだと主人公がホッとするのもつかの間、テレビの電源が不意につき画面に古井戸が映る、そんな感じ…

   She opened the door… She gave a gasp…      What was that—hanging from the hook in the ceiling? A rope with a noose all ready? And a chair to stand upon—a chair that could be kicked away… That was what Hugo wanted… And of course that was the last line of the rhyme. ‘He went and hanged himself and then there were None…’ 
  The little china figure fell from her hand. It rolled unheeded and broke against the fender.      Like an automaton Vera moved forward. This was the end—here where the cold wet hand (Cyril’s hand, of course) had touched her throat… ‘You can go to the rock, Cyril…’ That was what murder was—as easy as that! But afterwards you went on remembering… 
     She climbed up on the chair, her eyes staring in front of her like a sleepwalker’s… She adjusted the noose round her neck. Hugo was there to see she did what she had to do. 

    She kicked away the chair…


And Then There Were None (Agatha Christie Collection)

And Then There Were None (Agatha Christie Collection)

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