読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

hearthのお気楽洋書多読ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (Twitter: @hearth2016)

The Black Swan (Nassim Nicholas Taleb) - 「ブラック・スワン - 不確実性とリスクの本質」- 120冊目

ジャンル: 経済・ビジネス
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

経済学の本のタイトルが、なぜブラックスワン? もう十分有名な話でしょうが、書いときますね「黒い白鳥」のエピソード。

「むかし西洋では白鳥(Swan)と言えば白いものと決まっていた。 そのことを疑う者など一人もいなかった。 ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった」(amazonの邦訳版の紹介文より) 2006年発刊。

つまり今まで常識と思われていたことが、たった一つの反例で覆されてしまう事象を総称して「ブラックスワン」と呼んでいます。 著者はこの「ブラックスワン現象」には三つの特徴があるとしています。 それは、1) 予測不能な事象で、2) 今まで無かった驚天動地の事象で、3) 事後で理屈をつけると前から知っていたように錯覚させる事象、だとの事。

今まで無いから今後も無いとは限らない。たった一つの例外が出てきただけで今まで積み上げた論理が崩れてしまう。 自然科学において確率を考える場合、通常の場合はベルカーブ(釣り鐘の様な形で中心点が最頻値となる)と言われる正規分布に収まることが殆どです。 しかし、実際の経済シーンではこの標準偏差に収まらない極端な出来事が起こり得ます。 例えば、典型的なブラックスワン現象と言われるサブプライムローン危機に対して、リスクコントロールはそもそも不可能でした。なぜなら発生していない事象は想像もつかないから、事前の準備のしようがありません。 経済活動の全ての事象を理論で説明しようとすることがどだい無理な話。 一見、キレイな論理で組み立てられているように見えても、それは不確実な要素をはじめから無かった事にしてつじつまの合うところだけを拾い上げているか、もしくは事象が発生した後で「後付け」で理由をひねり出しているかのどちらかです。


メモポイント
● 感謝祭に屠られる七面鳥の話はすごく納得。生まれてからずっと毎日たっぷりと餌をもらって育った七面鳥から見れば、この世はほっといてもエサにありつけるバラ色の世界。そりゃそうでしょう。七面鳥クン自身の人生経験によれば最期に首をひねられるのは未経験ですから。 そんな驚天動地な出来事(ブラックスワン現象)が起こるなんて思いもしないはず。

Consider a turkey that is fed every day. Every single feeding will firm up the bird’s belief that it is the general rule of life to be fed every day by friendly members of the human race “looking out for its best interests,” as a politician would say. On the afternoon of the Wednesday before Thanksgiving, something unexpected will happen to the turkey. It will incur a revision of belief.


● 良いニュースは小出しでもコンスタントにあった方が満足度が高いそうです。 一方、辛い事は小出しにせず一気に終えること。

Somehow, your pleasure system will be saturated rather quickly, and it will not carry forward the hedonic balance like a sum on a tax return. As a matter of fact, your happiness depends far more on the number of instances of positive feelings, what psychologists call “positive affect,” than on their intensity when they hit. In other words, good news is good news first; how good matters rather little. So to have a pleasant life you should spread these small “affects” across time as evenly as possible. Plenty of mildly good news is preferable to one single lump of great news.
(中略)
The same property in reverse applies to our unhappiness. It is better to lump all your pain into a brief period rather than have it spread out over a longer one.


● 成功者が書いた本を鵜呑みにしてはならない。なぜなら、成功した者のみが本を出して成功の法則がをアピールするから。ホントの成功の秘訣とは?? それはただの幸運、まぐれに過ぎない。(ドラッカーも同じようなこと、言ってましたね)
『Good to Great (ビジョナリーカンパニー2)』(14冊目で紹介) で賞賛されている成功企業も実は単にラッキーなだけだったのかも…

The graveyard of failed persons will be full of people who shared the following traits: courage, risk taking, optimism, et cetera. Just like the population of millionaires. There may be some differences in skills, but what truly separates the two is for the most part a single factor: luck. Plain luck.


かなりシニカルなタッチ。 幻想なんて持つべきではないと突きつけられているようです。 『言ってはいけない』の橘玲の書くものに少し似ているかな。

The Black Swan: Second Edition: The Impact of the Highly Improbable Fragility

The Black Swan: Second Edition: The Impact of the Highly Improbable Fragility" (Incerto)

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
にほんブログ村


洋書ランキングへ