hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

Mastering the Art of War (Zhuge Liang) - 127冊目

ジャンル: 古典
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

中国の人名の英語表記って、パッと見て誰のことだか分からないですよね。 「Sun Tzu 」が孫子だとか…
さて、 ここで問題です。 この兵法書孫子」の解説書を著した「Zhuge Liang」って誰でしょう? 有名な人ですよ。
ヒント、あざなは「Kongming」です。


答え: 「諸葛亮 (またの名を諸葛孔明)」でした。

三国時代の天才軍師とうたわれた諸葛亮による兵法書で、「The Art of War」孫子(15冊目に感想)の解説書です。 ぼくは三国志演義(正確には吉川英治による「三国志」)に出てくるこの丞相の大ファンで、この吉川作品にはずいぶんフィクションの要素が入っているとは分かってはいるのですが、このスーパー参謀ぶりに憧れの想いがやみません。(この辺り、司馬遼太郎の「竜馬」と坂本龍馬がまったく同じであると考えてしまうのに似てますね) ついには諸葛亮自身による戦略解説書を読むまでになりました。

実際の諸葛亮は「赤壁の戦い」にあるような奇策を用いた天才軍師というよりも、常識と規範を重んじ民からも畏敬を受けた有能な政治家だったようです。 本作もリーダーシップ論、組織論について多く書かれています。

この本を読んで、名作「竜馬がゆく」の中で「奇策」に対する竜馬の(というか司馬遼太郎氏の)考え方が書かれていたのを思い出しました。 奇策家として知られる北辰一刀流の同門の先輩、清川八郎の人物について、竜馬に次のように語らせています。

「(清川について) 奇策を用いすぎた。 竜馬の考えでは、奇策とは百に一つも用うべきでない。 九十九まで正攻法で押し、あとの一つで奇策を用いれば、みごとに効く。 奇策とはそういう種類のものである。 真の奇策縦横の士とはそういう男をいうのだ。」

これは説得力ある真っ当な考えですよね。 本物の諸葛亮が「鬼神や天候をも操る」奇策家でなかったとしても、彼への憧れの想いは少しも変わりません。

Mastering the Art of War (Shambhala Library)

Mastering the Art of War (Shambhala Library)

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