ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆
著者Daniel Goleman と「Thinking Fast & Slow」のDaniel Kahnemanとを、よくごっちゃにしてしまいます。名前は似ているけど別。
タイトルにあるEmotional intelligence は本来ならEIとでも呼ぶべきなんでしょうが、日本ではIQとの語呂合わせでEQの呼称の方がメジャーになりましたね。 このコラムでは一応EIと呼ぶようにします。 「こころの知能指数」といった通称でも呼ばれているようです。(2011年発刊)
メモポイント
● 知能指数IQと社会的成功は必ずしもリンクせず、どちらかと言えばEIの方が相関関係の比率が高いとのこと。 単に知能が高いだけでは業績を上げることができない。 何かを成し遂げるために周りの協力を取り付けるには高いコミュニケーション能力や共感能力が優れている必要がある。まあ当然でしょうね。 先日感想を書いた「Outliers 」(136冊目に感想)のエピソードにもありましたが、ズバ抜けた高IQの持ち主でも、必ずしも世間一般でいうところの社会的に高い地位についているとは限らない。 確かIQ195の男性の例が挙げられていましたが、酒場の用心棒などの職歴を経て農場で肉体労働にいそしんでいるんだとか。(もちろん、「社会的地位が高い」 = 「幸せ」とは限りませんが)
● IQとEIの違いは何?
自身の感情の動きを理解して制御したり動機づけを行うことができる。 また他人の感情についても同様に理解できるので人間関係において高いコミュニケーションを発揮したり士気を鼓舞することができる。
1.Self-awareness
– the ability to know one's emotions, strengths, weaknesses, drives, values and goals and recognize their impact on others while using gut feelings to guide decisions.
2.Self-regulation
– involves controlling or redirecting one's disruptive emotions and impulses and adapting to changing circumstances.
3.Social skill
– managing relationships to move people in the desired direction
4.Empathy
– considering other people's feelings especially when making decisions
5.Motivation
– being driven to achieve for the sake of achievement
IQとは異なりEIをスケールで測るのは難しいでしょうね。 著者の基本的な主張は納得できるのですが、EIの高低の数値化には限界があるようです。 科学的に信頼性の高い研究結果にまで展開していくのは難しいだろうと感じました。 しかし仮に数値化できなかったとしても、この本が指し示すところの高EIを目指していけばより豊かな人生を送れるのは間違いないのではないでしょうか。 世にあまたあるビジネス本で説かれるところの「成功」のキーポイントとされる概念との共通点が多いのも納得です。
The Brain and Emotional Intelligence: New Insights (English Edition)
- 作者: Daniel Goleman
- 出版社/メーカー: More Than Sound LLC
- 発売日: 2011/04/12
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