hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

Cosmos (Carl Sagan) - 「コスモス」- 192冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度:★☆☆
オススメ度: ★★★☆☆

コーネル大学教授カール・セーガン博士による1980年代に放映された同名のTVシリーズが有名。 日本でも一大ブームを巻き起こしました。 博士はもう亡くなられましたが当時はNASAとの協力のもと惑星探査計画にも深く参画されていました。マリナー、バイキング、ボイジャー計画、懐かしいですね。

この「COSMOS」はテレビ番組の印象がとても強く、まだ小学生か中学生だった頃の僕も熱心に見た覚えがあります。 大人になって本書を手にしたのもそれがキッカケでした。 番組の中で歴史上の科学者達の逸話を再現するドラマが演じられるのですが、これが印象に強く、特にケプラーとティコ・ブラーエによる惑星軌道の発見のエピソードは面白かった。 金属製の付け鼻を付けたティコの映像も今でも思い出します。(若い頃、決闘で鼻を削ぎ落とされたとか)

確かこんな話でした。 ケプラーは理論天文学者でした。 彼は数学(幾何学)を根本にした「こうあるべき」との惑星の軌道を考え出しますが、それが実際の観測データとどうも一致しない。 当時の観測データの精度はかなり高かったようで (ティコ・ブラーエは当時の第一級の観測マンでした)、この観測データが誤っている可能性は低かった。 実際のところケプラーの理論は不完全でした。 一方、ティコは実際の惑星の軌道を正確に捉えることはできましたが惑星軌道の理論上の裏付けを行う事ができずにその生涯を終えます。 ティコの死後に彼の意思を継いだケプラーは、さんざん試行錯誤を繰り返した後に惑星の軌道が円ではなく楕円であることに思い至ります。 この辺りの展開、テレビ番組でとてもワクワクしながら観ていた事をうっすらと覚えています。
(1980年発刊)


メモポイント
● 私たちの身体は星くずでできている。

The nitrogen in our DNA, the calcium in our teeth, the iron in our blood, the carbon in our apple pies were made in the interiors of collapsing stars. We are made of starstuff.


● 科学上の仮説は間違いがいっぱい。 でもそれでいいんだ。 自らを疑って修正しようとするプロセスこそが科学であり、健全な発展につながる。

There are many hypotheses in science that are wrong. That’s perfectly alright; it’s the aperture to finding out what’s right. Science is a self-correcting process. To be accepted, new ideas must survive the most rigorous standards of evidence and scrutiny.


● 嫌な奴がいても宇宙規模からみればとても貴重。 地球上に生を受けることの尊さよ。

There will be no humans elsewhere. Only here. Only on this small planet. We are a rare as well as an endangered species. Every one of us is, in the cosmic perspective, precious. If a human disagrees with you, let him live. In a hundred billion galaxies, you will not find another.


以前にも、科学啓蒙書シリーズとしてアシモフ「Asimov’s New Guide to Science 」(150冊目)も紹介しましたがこれは基礎知識を仕入れるのに結構お役立ち本。
あと、宇宙人って本当にいるのかなーって考えてる人にはコレ。「If the Universe is Teeming with Aliens... Where is Everybody? (広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由)」(98冊目)

Cosmos

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