hearthのお気楽洋書ブログ

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Final Jeopardy (Stephen Baker) - 「IBM 奇跡のワトソンプロジェクト」- 28

ジャンル: ノンフィクション
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

  ステファン・ベイカー著「IBM 奇跡のワトソンプロジェクト : 人工知能はクイズ王の夢を見る」の原書。 (邦題はAI繋がりでディックから取ったんだね)   人気のテレビのクイズ番組でクイズ王を破ったコンピュータ、その開発秘話。    

   ぼくがこの本を読んだのは少し前なんだけど、それからしばらくして「アルファ碁」で人工知能がプロ棋士を超えたという事で、AIやワトソン関連話題が注目を集める様になった。  (但し、IBMのワトソン開発者の視点ではこれは人工知能ではなく圧倒的な量のデータベースと検索力を駆使したコンピュータであり、SFでよくある人工知能とはそもそも異なるとの見解だそうだが。)  ディープブルーからワトソンまで、開発者たちのプロジェクトX的なドラマが楽しめる。


メモポイント
● 総製作者のFerrucciはワトソン開発のためにチームを分割して競わせた。ダーウィンの進化論みたく、競争のない世界ではテクノロジーは向上しないと考えたのだ。あるチームが満足できる結果を出さなければ彼のやる事は簡単だ。全てのコードを引っこ抜き、他の有能なチームに任せるだけだ。競争の原理は大事。

● ワトソンは情報を多く与えれば与えるほど学習してその能力が強化される仕組み。 最初はトンチンカンでもみるみるうちに精度を増していく。 それは脳の学習の仕組みであるNeural connection と同じ原理だ。経験が増えるたびに神経細胞が同時並行的にそれぞれ結びつきあう。  大量のインプットが神経細胞を幾何級数的に能力増大させる。 このやればやるほど優れたものになるとの考えは魅力的だ。


 人工知能の推移を知るには、松尾豊の「人工知能は人間を超えるか」が分かりやすくて面白かった。

Final Jeopardy: The Story of Watson, the Computer That Will Transform Our World

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