ジャンル: ノンフィクション
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆
ダン・コッペル著「バナナの世界史」の原書。(2008年発刊) バナナという稀有のフルーツの種の始まりから、チキータ、ドールなどの世界的なブランドを持つ会社がどのように時の政府(特に米国資本)と組んでその販路を拡大してきたかについて丁寧に書かれている。
メモポイント
● バナナの語源「banan」はアラビア語で「finger」つまり指。 確かにその房は手みたいに見える。
● 旧約聖書のアダムとイブの禁断の果実。 リンゴのイメージがあるが、それはグーテンベルク時代の昔の同音異義語の翻訳時の誤解によるもので実はバナナだった可能性がある。
● バナナの生産量が一番多い国はどこか? エクアドル?フィリピン? 実はインドでした。 インドでは世界の生産量の20%を占めているんだけど殆どが国内消費で、一方エクアドルでは国内消費は2%だけで、殆どが輸出用に生産されている。
● 今世間で出回っている殆どのバナナはキャベンディシュという種類だそう。 バナナはタネじゃなく挿し木で増やして作っているから、全く遺伝子が同じ、つまり全部一卵性双生児、またはクローンのようなもんだそうだ。 だから感染症にとても弱い。 かつてはグロスミシェルという種類が殆どだったがパナマ病という感染症で絶滅した過去の経緯がある。 バナナ生産者にとってこの感染症との戦いは永遠の課題なのだ。
バナナは完全食品に近い食べ物で、これが無くなると世界の食糧事情に大きな影響が出るだろう。 病気に耐性のある新しい品質改良が待たれるところだ。感謝して頂きます。(合掌)
Banana: The Fate of the Fruit That Changed the World
- 作者: Dan Koeppel
- 出版社/メーカー: Plume
- 発売日: 2007/12/27
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