hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

The Girl who Leapt through Time (Yasutaka Tsutsui) - 「時をかける少女」- 80冊目

ジャンル: 小説(SF)
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★★☆

   タイムリープ物ファンの僕としては是非日本の代表作についても書かねばと思い手にした既に古典感のある「時をかける少女」。(1967年発刊) なぜわざわざ英訳書かというと、そこは英語の勉強も兼ねているからです。

  小さい頃、NHK少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」をワクワクして見たもんだが、そのドラマの原作となったこの「時かけ」はとてもシンプル。 ジュブナイル小説として書かれたもので、「俗物図鑑」や「家族八景」にあるような筒井康隆らしい毒もないのでそれを期待している人は拍子抜けするかもしれない。  太宰治の「走れメロス」が全作品の中で少し異質な感(ちょっと優等生っぽいというか)があるのにちょっと似ているかも。  ただ僕の好みとして、この切ないラストの雰囲気が結構好きである。
    TVドラマや映画化など派生品を量産している本作を称して、筒井康隆は「金を稼いでくれる孝行娘の様な小説」と言っているそうな。


● メモポイント(以下、ネタバレ注意!!)


   Every day, she would pass by the greenhouse next to the house and every day she would enjoy the sweet lavender smell that came from within.

I remember this scent, she would think to herself. So sweet, so nostalgic. I smelt this somewhere before. But where?

She could see the name Fukamachi on a shiny name-plate by the door of the house, but it was a name that meant nothing to Kazuko. And at that moment, in her heart, she began to dream of meeting someone. Someone special who would one day walk into her life. Someone she would instantly feel she had known for years. Someone who would feel the same about her.

(ラストシーン。全ての記憶を消されてしまったKazukoだが、ラベンダーの甘い香りに誘われ懐かしい想いとともに誰かを思い出しそうになる。 それは誰かは分からないが、逢えたらきっと何年も前から知っていたと思える人。 将来ともに歩んで行くであろう夢の人の記憶。)


  ちなみに、読書中の僕の脳内再生イメージは仲里依紗じゃなくて原田知世

The Girl who Leapt Through Time

The Girl who Leapt Through Time

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