hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

Kwaidan (Lafcadio Hearn) - 「怪談」- 110冊目

ジャンル: 小説 (ホラー)
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★☆☆

  なぜかクァイダン(Kwaidan)である。Kaidanではない。  イギリス人ラフカディオ・ハーンが来日・帰化して小泉八雲と名乗り、地方の古老から集めて怪異譚を編纂したのは有名な話。学校の授業でも習い「耳なし芳一」や「ムジナ」の粗筋は知ってはいました。  が、読んでみると知らなかった話も多く、怖いというよりSFチックで結構面白いもんでした。  優れたショートショート。  (1904年発刊)


メモポイント

●「雪女」のお話の舞台になったのはどこだと思います?  Kwaidan 巻末の注記(1)によると意外にも東京の郊外だって。  東北かどこかの山奥かと思ってた。   同じくのっぺらぼうの「ムジナ」の登場したのも、東京のど真ん中の紀尾井町辺り。( ホテルニューオータニの真ん前です)  江戸の昔は都心でも夜は真っ暗で人通りも絶えてずい分寂しい雰囲気だったようですね。

  YUKI-ONNA
   (1) An ancient province whose boundaries took in most of present-day Tokyo, and parts of Saitama and Kanagawa prefectures.

 MUJINA 
   On the Akasaka Road, in Tokyo, there is a slope called Kii-no-kuni-zaka,—which means the Slope of the Province of Kii. I do not know why it is called the Slope of the Province of Kii.


● 「Diplomacy」という話。 ネタバレになるので多くは言えないが面白い。 人は強烈な恨みを持ったままで殺されてしまうと、死んだ後でもその霊魂が残り殺した相手に復讐を行う事ができるそうな。  それを聞いたある侍は…   
  スティーブン・キングの短編「The breathing Method (マンハッタンの奇譚クラブ)」を思い出した。 

   If any person be killed while feeling strong resentment, the ghost of that person will be able to take vengeance upon the killer.


● 「The Story of Aoyagi」
美しい妻女AoyagiとTomotadaの純愛話。  切なく物悲しいラスト。 印象に残ります。

どっとはらい

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