hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

The Firm (John Grisham) - 「法律事務所」- 214冊目

ジャンル: 小説(サスペンス)
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★★☆

アメリカでは、税務周りの交渉ごとは弁護士がやるだなんて、この本で初めて知りました。 日本で言えば、法律事務所と言うよりも、法人・個人所得税対策専門の法律すれすれのヤバい系税理士事務所ですね。

粗筋を少し。
ハーバード・ロースクールを優秀な成績で卒業したミッチ。 破格の報酬条件とBMW付きでメンフィスの片田舎のある名門法律事務所に就職した。 順風満帆に思えた彼。しかしこの事務所、不審な点が多く、過去にも多くの先輩弁護士たちが不審死を遂げている。実はこの事務所、違法マフィアの脱税とマネーロンダリングの片棒担ぎを生業としていることに気づく。逃げ出そうともがくものの、既に彼の外堀は埋められていた。 タックスヘイブンケイマン諸島を舞台にして、命の危険を感じながらも頭脳一本で事務所と渡り合うミッチ。さらにマフィアを摘発しようとFBIも登場。 果たして彼はこの包囲網から抜けだせるのか!

トム・クルーズ主演の同名映画もヒットしましたね。
(1991年発刊)


● 作者が言わんとしていたテーマから外れるかもしれませんが、この小説(とトム・クルーズ主演の映画)を読んで僕が一番に考えたことは、「知識は身を助けるのだ」ということです。 絶対絶命の状況に陥りながら主人公ミッチがかろうじて犯罪組織と渡り合えたのは、「知識による武装」があったからだと思います。

「男はタフでいないと生きていけない。優しくないと生きている資格がない」はプレイバックでのフィリップ・マーロウの台詞です。 この「タフであり強くある」という点は上に書いた「知識による武装」も含まれているように思えるのです。 大事な人を守るためにも強くなければならない。 もっと端的に言えば、「無知」は罪なことなんだな、と感じたものでした。

本作で、ミッチは大学でアカウンティングの学位を取り、US-CPA試験にパスした後に、くだんの法律事務所に入って司法試験に挑戦するという設定でした。 むかーしむかしに僕はUS-CPAの資格を取った事があるのですが、頭脳一本で組織と渡り合うこの小説の主人公に憧れたことが、この資格を取ろうとした動機付けの一つであったように思います。


それから、この本が好きな人は橘玲の「マネーロンダリング」と「タックスヘイブン」もおススメです! 面白いですよ!

The Firm: A Novel

The Firm: A Novel

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