hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

Finance for Managers (Harvard Business School Press) - 177冊目

ジャンル: ビジネス・経済
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★★☆

今の仕事は英文会計に関わる業務が多いのですが、社会人になったばかりの頃は会計とも英語とも全く関係ない営業の仕事をやっておりました。 仕事でのキッカケが無ければ、洋書なぞ読もうなどとは考えなかったと思います。 洋書を読む楽しさに導いてもらったようなものですので、当時は「英語??、会計??」と結構辛い思いもしましたが、今思えば有り難いことだったと思います。

で、今回は英文財務の基本書シリーズ。 最近は経済学入門書ばかりご紹介しておりましたが、今回は財務サイドの入門書です。 「ファイナンスの基本について知りたい」かつ「ついでに英語も勉強したい」といった方にはピッタリです。 (そんな物好きな方が実際にいるのかどうか分かりませんが…) 英文はとても簡単でファイナンス畑でない方にも読みやすい本じゃないかと思います。 US-CPA資格に興味ある人にも前段階の知識を得るのにはオススメです。(2002年発刊)


メモ
● 運転資本(Working capital)について。 少な過ぎても 多過ぎてもダメ。 少ないと会社の体力に不安が出てくるし、多い場合は利息のかかる借入れに依存することもよくあるパターン。

Too little working capital can put a company in a bad position: The company may be unable to pay its bills or to take advantage of profitable opportunities. Too much working capital, on the other hand, reduces profitability since that capital has a carrying cost-it must be financed in some way, usually through interest-bearing loans.


レバレッジを効かせる。 借りたお金で企業買収。 高いレバレッジを効かせるとはつまりハイリスク・ハイリターン。

Financial leverage refers to the use of borrowed money in acquiring an asset.
(中略)
In general, as the ratio increases, the returns to owners are higher, but so too are the risks. Creditors understand this relationship ship extremely well and will often include specific limits on the debt levels beyond which borrowers may not go without having their loans called in.


● ある一定の期間より後に発生するキャッシュフローの現在価値(残存価値)の簡便な求め方。 果てしない将来までのキャッシュフローを計算しないとダメかというとそうではない。 ずっと永続的にそのキャッシュフローが獲得できるとするならば、取り敢えずの最終年度のキャッシュフロー を割引率で割って求める。

Present Value = Cash Flow / Discount Rate Using the figures in the illustration, we could assume that the final year's cash flow of $600 (thousand) will go on indefinitely (referred to as a perpetuity). This amount, divided by the discount count rate of 12 percent, would give you a present value of $5 million.

はじめはこのロジックがなかなかピンときませんでしたが、どうもこんな考え方になるようです。 とりあえずの基準年度に得られるキャッシュフローがその後、ずっと続くという前提ですので、以下の式が成り立ちます。

キャッシュフロー: CF
割引率: r
キャッシュフローを生み出す資産の現在価値: V

V = CF/(1+r) + CF/(1+r)^2 + CF/(1+r)^3 ....

1年目は割引率そのまま、2年目は割引率の2乗で割る、その次は3乗で割るといった具合に将来の価値を利率分だけ減少させていきます。 それを全部足し上げると、資産の現在価値になるということです。 この式の両辺に(1+r)を掛けると

V(1+r) = CF + CF/(1+r) + CF/(1+r)^2 + CF/(1+r)^3 ....

で、できた右辺の2項目以降は最初の式のVと一緒ですので、

V(1+r) = CF + V

で、整理すると

V(1+r) - V = CF
V + V * r - V = CF
V*r = CF
V = CF/r

というわけで、なんということでしょう!
基準年度の単年キャッシュフローを割引率で割ると現在価値が求められます。

面白いですね。(面白くないか…)

Finance for Managers (Harvard Business Essentials)

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  • 出版社/メーカー: Harvard Business School Pr
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