hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

Shadow Divers (Robert Kurson) - 「シャドウ・ダイバー」- 38冊目

ジャンル: ノンフィクション
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★★☆

  傑作ノンフィクション、ロバート・カーソンの「シャドウ・ダイバー」の原書。(2004年発刊)     沈没船に残された遺物引き揚げ競争に命を賭ける(実際に死んだ人もいる)レックダイバーたちの話。  彼らにとって難攻不落のラスボス獲物は第二次大戦後で沈没したナチスドイツのUボートだった。しかし文献上ではそのボートは何故か存在しないことになっている。  証明するには遺留品をボートから回収するしかない。  ダイバーたちは無事に生還できるのか!!


メモポイント

● 冒険から無事に生還できるには、Excellence が必要。 そのExcellence (卓越)とは入念な準備、専心、集中、根気強さから生まれる。ほんの少しでも妥協したなら他の平均点の連中と変わらない。

● 潜水中の鉄則。  問題が発生したら後回しにせず即座にパニックにならずかつ全力で対応すること。さもないとその始めのつまずきが雪だるまのように大きくなり後で死を招く。  潜水酔いはある種の酔っ払い状態の事で正常な判断ができなくなる。ダイバーたちは潜水中には判断が最小限で済み機械的に行動すればいいように事前に準備を行うのだそうだ。


  ハラハラし通しの展開でとても面白かった。ドイツのUボート乗組員たちの エピソードにも多くの筆を割いている。ナチスドイツのお粗末な戦略指示に抗えず、死地に向かわざるを得ないUボート艦長の毅然とした態度、沈没時の臨場感溢れる描写、まさに一級のドキュメンタリーかつ文学作品だ。  望まぬ戦いに赴く将校の描写には、日本の名記録作品「きけわだつみの声」を思い出した。

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