hearthのお気楽洋書多読ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (Twitter: @hearth2016)

Predictably Irrational (Dan Ariely) - 「予想どおりに不合理」 - 166冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

日本でもブームになった行動経済学オモシロ本の先駆けになりました。とても読みやすい。 昔の経済学の教科書では、「経済人=経済的合理性に基づいて個人主義的に行動する人間(homo economics)」と説かれていました。 でも、そんなMr.スポックみたいな人がその辺をブラブラ歩いているとは思えませんね。 人間は時に不合理な行動を取ってしまうもので、それが人間くささというもんでしょうか。 その不合理な行動の裏にもそれなりの理由はあるもんです。 別に行き当たりばったりのランダムに不合理な行動をとるというわけではなく、そのように行動してしまう必然性があるということ。だからこそ「予想どおり」に「不合理」なことをしてしまうのだと著者は説いています。(2008年発刊)


メモポイント

● 新聞購読の料金設定(ダミーの料金コースを設定して誘導する)、アンカリング(最初に設定した数値が基準値となり後の判断に影響を与える)、プロスペクト理論(得するよりも損するのを避けようとする)、等々、オモシロ事例がいっぱいです。

● 託児所のお迎えの話。 いつも親のお迎えが遅い事に業を煮やした託児所側はお迎えが遅れた親に対して罰金を科する事にした。 すると結果は、遅れが減るどころか増えてしまった。金を払うならば遅れてもよいという考えにシフトしてしまったのだ。 「こいつはマズイ」と、元に戻して罰金をやめたのだが、遅刻は更に増える一方に。 なぜか?

BUT THE REAL story only started here. The most interesting part occurred a few weeks later, when the day care center removed the fine. Now the center was back to the social norm. Would the parents also return to the social norm? Would their guilt return as well? Not at all. Once the fine was removed, the behavior of the parents didn't change. They continued to pick up their kids late. In fact, when the fine was removed, there was a slight increase in the number of tardy pickups (after all, both the social norms and the fine had been removed).
This experiment illustrates an unfortunate fact: when a social norm collides with a market norm, the social norm goes away for a long time. In other words, social relationships are not easy to reestablish. Once the bloom is off the rose—once a social norm is trumped by a market norm—it will rarely return.


モーセ十戒を意識する、裁判陳述でバイブルに誓う、弁護士や医者がプロとして宣誓する。 単に儀式的に見えるたったこれだけの行動だけでも、その宣誓を行なった本人の中で「正直であるべき」との精神的強制力が働く事が実験で証明されている。

FOR ONE, PERHAPS we could bring the Bible back into public life. If we only want to reduce dishonesty, it might not be a bad idea. Then again, some people might object, on the grounds that the Bible implies an endorsement of a particular religion, or merely that it mixes religion in with the commercial and secular world. But perhaps an oath of a different nature would work. What especially impressed me about the experiment with the Ten Commandments was that the students who could remember only one or two Commandments were as affected by them as the students who remembered nearly all ten. This indicated that it was not the Commandments themselves that encouraged honesty, but the mere contemplation of a moral benchmark of some kind.
If that were the case, then we could also use nonreligious benchmarks to raise the general level of honesty. For instance, what about the professional oaths that doctors, lawyers, and others swear to—or used to swear to? Could those professional oaths do the trick?


アダム・スミスの名言。「ビジネスにおいて、正直は最良の戦略である」 これは単なる青臭い倫理観に基づいて言っているのではない。 「正直であること」は、作戦として優れているという事だ。 これは「自分からは裏切らない」というノイマンが確立したゲーム理論の戦略とも符号する。

Adam Smith reminded us that honesty really is the best policy, especially in business.


以前にも書きましたが、行動経済学といえばダニエル・カーネマンの名著「Thinking, Fast & Slow」(72冊目)ははずせません。 本作よりも少し骨太感がありますが体系的に知りたいのであればこちらがオススメ。

鬼平は言いました。
「人間というものは妙な生きものよ。悪いことをしながら善いことをし,善いことをしながら悪事を働く。 心をゆるし合う友をだまして,その心を傷つけまいとする」
人は不合理にできている。

Predictably Irrational: The Hidden Forces that Shape Our Decisions

Predictably Irrational: The Hidden Forces that Shape Our Decisions

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
にほんブログ村


洋書ランキングへ

War Criminal (Saburo Shiroyama) - 「落日燃ゆ」- 165冊目

ジャンル: ノンフィクション
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★★☆

先日、NHKスペシャル東京裁判」が再放送されたそうですね。 ぼくはうっかりして見逃してしまいました。 残念。 この裁判の話を聞くと、いつもある人物の名を思い出します。 広田弘毅

第二次世界大戦後、東京裁判で死罪判決を受けた7人のA級戦犯のうちただ一人の文官であり外交官出身の元総理、広田弘毅。  戦争推進派に囲まれた中、最後までたった一人で戦争回避に尽力したものの、時代の大きな流れに翻弄されて開戦に巻き込まれた。 敗戦後、アメリカを中心とする連合国軍が設けた東京裁判では他の武官と同様に戦犯と見なされ、その告発に一切の弁解もせず絞首台の露と散った…(1974年発刊)

ずいぶん昔ですが、広田弘毅の「自ら計らわぬ」生き方に感動したあまり何度も読み返し、ぜひ英文でも読んでみたいと思い中古本をアマゾンで入手しました。 どういうわけか2回もポチってしまったようで、中古ペーパーバックが2冊届いたのもいい思い出です。 日本語で読んだあとで英文でもう一度読もうとした本はそれほど多くはありませんが、これはそんな数少ない本のうちのひとつ。(他はファインマンさん、赤毛のアン星の王子さま、アルジャーノン、火車ぐらいです。)


本作のメインテーマは他人をかばうことに主眼を置いた自己犠牲の潔さに尽きるでしょう。 この「黙して語らず」の精神は現在の尺度から考えると、必ずしも正しいものではなく決して褒められるものでもありません。 自分が我慢すればそれでいいという訳ではないでしょう。 それは分かってます。 ええ、分かっていますとも… それでもねえ、一切の未練がましい言い訳をしなかったこの一人の不器用な男の生き方に鮮烈な感動の念を覚えるのを禁じ得ないのです。

As you can see, I'm in good health. I have no message; just tell them, please, that I went to my death quietly and in good health.

夫婦の愛情も本作の大きなテーマのひとつです。 広田は最愛の妻に先立たれる(正確には獄中の夫の気がかりを減らすために妻は自害する)のですが、この辺りも切なさを誘います。 妻亡き後も広田が獄中から自宅に送る手紙の宛先はすべて妻「静子殿」と書かれていました。


著者の城山三郎自身も愛妻家でした。 晩年はその愛する妻に先立たれています。  亡き妻が傍らにいない喪失感を綴った名著、「そうか、もう君はいないのか」。 こちらもぜひぜひおススメします。

War Criminal: The Life and Death of Hirota Koki

War Criminal: The Life and Death of Hirota Koki

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
にほんブログ村


洋書ランキングへ

Economics for Dummies (Sean Masaki Flynn) - 164 冊目

ジャンル: ビジネス・経済
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

経済の基本について読んでみたくなり、せっかくなので英文で書かれた本を読もうとして手にした本。(2005年発刊)

Dummie 向けの超初級経済読み物。 日本で言えば「サルでもわかる〜本」のようなもの。ほかにも洋書では「idiot のための…」みたいな本もよく見かけますよね。 タイトルはケンカを売っているみたいですが、中身はいたってまじめ。というか、英文で読むハードルのためか、結構難しいと思います。 イメージとしては池上彰さんが書かれる一般教養書よりも難しいような気がします。
本書はマクロ経済とミクロ経済についての概要がコンパクトにまとまっており、いきなりハードルの高い経済書を読むよりもオススメです。 細かい点では正確性にもとるところもあるのでしょうが、まずはベーシックの理解をする目的にはいいのではないかと思います。
自分が買った時にはKindle版があったのですが、このブログを書いている今は見当たりませんでした。 で、紙本のリンクを貼っておきます。

日本語でのオススメ入門書は、細野真宏氏の「経済のニュースがよくわかる本」の日本経済編と世界経済編。 「カードキャプターさくら」のケロちゃんみたいなイラストキャラが出てきます。 何冊か経済学の基本書は読んだことがありますが、今ひとつピンとこなかった点がありました。 が、この本を読んでなるほどと腑に落ちたことを覚えています。 これはホント分かりやすい。

Economics For Dummies

Economics For Dummies

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
にほんブログ村


洋書ランキングへ

Anne of the Island (L.M. Montgomery) - 「アンの愛情」- 163冊目

ジャンル: 小説(児童)
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★★☆

名門レドモンド大学の修士課程に進んだアン。 幼い頃からの友人ギルバートと共に大学に通い、友情を育み恋愛に悩みつつ青春を過ごすアンの姿がここにあります。
思うに、本作はアンにとっての「気づき」の書であると感じました。 真実の愛の「気づき」、早逝した友の姿による命が限りあるものとの「気づき」。
アンの憧れとわだかまり、そして自分の本心に初めて気づいた時の天啓のようなショック。 アンブックスの中でも、一作目と並んで最もドラマチックなシーンが多いのが本作ではないかと感じました。(1915年発刊)


メモポイント
(ネタバレかなりあります。 肝要のところをかなり書いてしまったので、未読の方はここで閉じて下さい。
これは本当に好きなシーンを集めたものです。例によってまたすごーく長くなってしまいますが、自分のメモのためにも残しておきたいので。)

● 大学の女友達たちと寄宿舎生活を過ごすアン。 フィリパやプリシラ、ステラなどの面白いキャラクターが出てきます。 アンにとって何物にも代え難い故郷のアボンリー。 その話をするとフィリパ(フィル)は…
アボンリーとそこで待つマリラやリンド夫人、双子たちの描写が秀逸。 このフィルって子もホント素直で可愛い! S&Gの「Homeward Bound」を思い出す。

I’m going home to an old country farmhouse, once green, rather faded now, set among leafless apple orchards. There is a brook below and a December fir wood beyond, where I’ve heard harps swept by the fingers of rain and wind. There is a pond nearby that will be gray and brooding now. There will be two oldish ladies in the house, one tall and thin, one short and fat; and there will be two twins, one a perfect model, the other what Mrs. Lynde calls a ‘holy terror.’ There will be a little room upstairs over the porch, where old dreams hang thick, and a big, fat, glorious feather bed which will almost seem the height of luxury after a boardinghouse mattress. How do you like my picture, Phil?”
“It seems a very dull one,” said Phil, with a grimace.
“Oh, but I’ve left out the transforming thing,” said Anne softly. “There’ll be love there, Phil—faithful, tender love, such as I’ll never find anywhere else in the world—love that’s waiting for me. That makes my picture a masterpiece, doesn’t it, even if the colors are not very brilliant?”
Phil silently got up, tossed her box of chocolates away, went up to Anne, and put her arms about her. “Anne, I wish I was like you,” she said soberly.


● アボンリー時代の同級生ルビー・ギリス。 美少女ルビーは恋に恋するタイプで、少し軽いところのある性格ですが、若くして不治の病にかかってしまいます。 お見舞いに行ったアンとルビーが交わす最期の言葉。 抗えない死について語るルビーが印象に残りました。

Ruby raised herself on her arm and lifted up her bright, beautiful blue eyes to the moonlit skies.
“I want to live,” she said, in a trembling voice. “I want to live like other girls. I—I want to be married, Anne—and—and—have little children. You know I always loved babies, Anne. I couldn’t say this to any one but you. I know you understand. And then poor Herb—he—he loves me and I love him, Anne. The others meant nothing to me, but he does—and if I could live I would be his wife and be so happy. Oh, Anne, it’s hard.”
Ruby sank back on her pillows and sobbed convulsively.
(中略)
“Most of the trouble in life comes from misunderstanding, I think,” said Anne. “I must go now, Ruby. It’s getting late—and you shouldn’t be out in the damp.”
“You’ll come up soon again.”
“Yes, very soon. And if there’s anything I can do to help you I’ll be so glad.”
I know. You have helped me already. Nothing seems quite so dreadful now. Good night, Anne.”
“Good night, dear.”
Anne walked home very slowly in the moonlight. The evening had changed something for her. Life held a different meaning, a deeper purpose. On the surface it would go on just the same; but the deeps had been stirred. It must not be with her as with poor butterfly Ruby. When she came to the end of one life it must not be to face the next with the shrinking terror of something wholly different—something for which accustomed thought and ideal and aspiration had unfitted her. The little things of life, sweet and excellent in their place, must not be the things lived for; the highest must be sought and followed; the life of heaven must be begun here on earth.
That good night in the garden was for all time. Anne never saw Ruby in life again.



● 妄想好きのアンは、彼女が幼い頃から憧れていたイメージ通りの憂いを帯びた王子様風の男性ロイと出会い「この人こそ運命の人! 」と思い込んでしまいます。 しかし、実は真の愛する人はすぐそばにいて自分を支えて一緒に歩き続けてくれていた人(ギルバート)だった事が、まだ大人になる前の彼女には分かりませんでした。 彼女の心はずっと前からこの本当の想いを指し示していたにも関わらず、頭の中ではそれが理解できていませんでした。 そしてアンは混乱したあげくに、愛の告白をしたギルバートに対して「お願いだからそんなことを言わないで。 私たち、良い友達のままでいたかったのに…」と思いもよらず別れを告げてしまいます…

“Never mind Phil and the violets just now, Anne,” said Gilbert quietly, taking her hand in a clasp from which she could not free it. “There is something I want to say to you.”
“Oh, don’t say it,” cried Anne, pleadingly. “Don’t—please, Gilbert.”
“I must. Things can’t go on like this any longer. Anne, I love you. You know I do. I—I can’t tell you how much. Will you promise me that some day you’ll be my wife?”
“I—I can’t,” said Anne miserably. “Oh, Gilbert—you—you’ve spoiled everything.”
“Don’t you care for me at all?” Gilbert asked after a very dreadful pause, during which Anne had not dared to look up.
“Not—not in that way. I do care a great deal for you as a friend. But I don’t love you, Gilbert.”
“But can’t you give me some hope that you will—yet?”
“No, I can’t,” exclaimed Anne desperately. “I never, never can love you—in that way—Gilbert. You must never speak of this to me again.”
There was another pause—so long and so dreadful that Anne was driven at last to look up. Gilbert’s face was white to the lips. And his eyes—but Anne shuddered and looked away. There was nothing romantic about this. Must proposals be either grotesque or—horrible? Could she ever forget Gilbert’s face?


● 混乱したアンに振られてしまったギルバート。 それ以来、プライドの高いブライス家の人であるギルバートはただの友人の一人としてアンに接するようになります。 今度はアンがそんなギルバートの態度を受け入れられない。 ギルバートから手紙が来ると飛び上がるほど喜ぶくせに、その内容があまりにも素っ気なく事務的だとヤキモキしたり。 女心は分かりにくい…

Anne had wandered down to the Dryad’s Bubble and was curled up among the ferns at the root of the big white birch where she and Gilbert had so often sat in summers gone by. He had gone into the newspaper office again when college closed, and Avonlea seemed very dull without him. He never wrote to her, and Anne missed the letters that never came. To be sure, Roy wrote twice a week; his letters were exquisite compositions which would have read beautifully in a memoir or biography. Anne felt herself more deeply in love with him than ever when she read them; but her heart never gave the queer, quick, painful bound at sight of his letters which it had given one day when Mrs. Hiram Sloane had handed her out an envelope addressed in Gilbert’s black, upright handwriting. Anne had hurried home to the east gable and opened it eagerly—to find a typewritten copy of some college society report—“only that and nothing more.” Anne flung the harmless screed across her room and sat down to write an especially nice epistle to Roy.


● アンが自分の本心にやっと気づいたのは、まさにギルバートが突然の病気で死の床に臥せっていると人づてに聞いた時でした。 電撃が走るようにアンはギルバートへの真実の愛を悟ります。
「なんと自分は愚かだったのか。 気づくのが遅すぎた。 自分も彼を愛していたのだと言うことを彼が知ることないまま逝ってしまうなんて。 それなのに自分は今さら彼の元に駆けつけることなどできないのだ。」アンは慟哭するのでした。

“Davy, hold your tongue,” said Mrs. Rachel angrily. “Anne, don’t look like that—don’t look like that! We didn’t mean to tell you so suddenly.”
“Is—it—true?” asked Anne in a voice that was not hers.
“Gilbert is very ill,” said Mrs. Lynde gravely. “He took down with typhoid fever just after you left for Echo Lodge. Did you never hear of it?”
No,” said that unknown voice.
(中略)
Anne gently put Mrs. Lynde’s arms away from her, walked blindly across the kitchen, through the hall, up the stairs to her old room. At its window she knelt down, staring out unseeingly. It was very dark. The rain was beating down over the shivering fields. The Haunted Woods was full of the groans of mighty trees wrung in the tempest, and the air throbbed with the thunderous crash of billows on the distant shore. And Gilbert was dying!
There is a book of Revelation in every one’s life, as there is in the Bible. Anne read hers that bitter night, as she kept her agonized vigil through the hours of storm and darkness. She loved Gilbert—had always loved him! She knew that now. She knew that she could no more cast him out of her life without agony than she could have cut off her right hand and cast it from her. And the knowledge had come too late—too late even for the bitter solace of being with him at the last. If she had not been so blind—so foolish—she would have had the right to go to him now. But he would never know that she loved him—he would go away from this life thinking that she did not care.


● ギルバートの病が峠を越えた。 アンはその知らせだけでもう充分でした。 彼が生きていてくれるだけでそれ以上、何も望まない。そんな気持ちでした。 しかし病みあがりのギルバートは2年ぶりの想いを秘めてアンの元にまた現れます。
「アン、聞いてくれるかい。 ぼくにはある夢があるんだ…」

Gilbert was not to be thus sidetracked.
I have a dream,” he said slowly. “I persist in dreaming it, although it has often seemed to me that it could never come true. I dream of a home with a hearth-fire in it, a cat and dog, the footsteps of friends—and you!
Anne wanted to speak but she could find no words. Happiness was breaking over her like a wave. It almost frightened her.
“I asked you a question over two years ago, Anne. If I ask it again today will you give me a different answer?”
Still Anne could not speak. But she lifted her eyes, shining with all the love-rapture of countless generations, and looked into his for a moment. He wanted no other answer.

実は親友のフィルがキューピッドとして、一役買っています。 このあたりの話もいい。 ぜひぜひ読んでみて下さい。 ホントにオススメです。

二人の時計の針は、ようやく進み始めたのでした。

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
にほんブログ村


洋書ランキングへ

Blondie 24 (David B. Fogel) - 162冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

ブロンディといっても「夢見るNo.1」を歌うわけではありません。

何年か前、近くの図書館の処分本コーナー(ご自由にお持ち帰り下さいってやつ)に入っていた本。 洋書を持って帰る人はあまりいなかったようで、ずっとコーナーの片隅に捨てネコのように残っていました。 正方形に近い変わった形をしたこの本の表紙の赤と黒のしゃれたデザインと謎の美女の写真に惹かれて、何の本かも知らぬまま「ウチの子になるかい?」と家に持ち帰ったのでした。

読んでみて初めてわかったボードゲームのチェッカー対戦用の人口知能(AI)を開発していく話 (著者自身が開発に参加)。  表紙の赤と黒は、日本ではあまり馴染みのないこのゲームに使われるボードの意匠だったようです。

ここ数年で話題となっているAIブームよりもずいぶん前に書かれたものですが、プログラム自らが学習して生物のように進化していく「learning machine」のそのプロセスが面白い。(ダーウィンの進化論になぞらえています)。 チェッカー名人の指し手を研究したり戦略に基づいて手を決めるのではなく、Random Variation (ランダムにトライ&エラーを繰り返してゲームを学習していく)、とNatural Selection (適者生存の法則により良い手だったもののみを残す)のルールに基づいています。 「天才頭脳」というよりも、根気よくあらゆる指し手を試していくまさに筋肉でできた脳のような「ちからワザ (blute-force)」の世界。  基礎的で単純な情報処理の手続きにも関わらず、この電脳美女Blondie24(このAIのインターネット上のユーザーネーム。 表紙の写真は彼女のイメージでした)はメキメキと強くなっていきます。 AIやコンピュータサイエンスの素人のぼくにでも楽しんで読むことができ、知らず知らずのうちにニューラルネットワークの話やアルゴリズムについて学べました。 AIに興味がある初学者にはイチオシのおススメ本です。 (2001年発刊)

併せてオススメは、ワトソン君が登場する「Final Jeopardy 」(28冊目に感想)と、アルゴリズムのお話の「Automate This」(38冊目)

イライザ婆さんからブロンディ母さんを通じて娘のシリに至る電脳女系一家に想いを馳せて。

Blondie24: Playing at the Edge of AI (The Morgan Kaufmann Series in Artificial Intelligence)

Blondie24: Playing at the Edge of AI (The Morgan Kaufmann Series in Artificial Intelligence)

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
にほんブログ村


洋書ランキングへ

A 3rd Serving of Chicken Soup for the Soul (Jack Canfield) - 「こころのチキンスープ (3)」- 161冊目

ジャンル: その他
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

「こころのチキンスープ」2冊目です。 (1996年発刊)
O.Henryの話みたい。 異なるのはこれは小説ではなく実話だということ。 それぞれのエピソードは玉石混交なのですが、印象深かったものを少しばかり…


メモポイント

● 「Information Please」
これが実話だとは…
ある日、一人で留守番をする幼い少年が指を怪我してしまった。 母親がふだんよく電話番号案内をしているのを見ていた少年は、それを何でも相談できる魔法の電話だと信じていて、見よう見まねで番号案内のお姉さんに電話をした。

「information please. ぼく、ゆびをケガしちゃったの」
「まあ、タイヘン、ボウヤのおウチには他には誰もいないの?」
「うん、ぼくだけ…ハンマーでゆびをたたいちゃった」
「血は出てる? おウチにアイスボックスはあるかしら?」

これがキッカケとなり、少年とお姉さんの数年に渡る交流が始まります。 学校の勉強のこと、飼っているペットが死んじゃった時のこと… いつも少年は電話しました。「Information please 」
この話、とても印象に残るラストです。機会があれば、続きをぜひ読んでみてください。


● 心に残った詩を。(最初の部分だけですが)

“If I Had Only Known”
by Craig Morris/ Jana Stanfield


If I had only known it was our last walk in the rain
I’d keep you out for hours in the storm I would hold your hand, like a life line to my heart
And underneath the thunder we’d be warm
If I had only known it was our last walk in the rain

If I had only known I’d never hear your voice again
I’d memorize each thing you ever said
And on these lonely nights, I could think of them once more
And keep your words alive inside my head
If I had only known I’d never hear your voice again

まだ続きます。
「これが最後だとわかっていたのなら…」


● 「Good News」
これも有名。 あるゴルファーと病気の子を持つ母親の話。 以前に別の本の感想を書いた時にも紹介しました。
(26冊目「Beyond Happiness 」に抄訳を書きました)

Robert De Vincenzo, the great Argentine golfer, once won a tournament and, after receiving the check and smiling for the cameras, he went to the clubhouse and prepared to leave. Some time later, he walked alone to his car in the parking lot and was approached by a young woman. She congratulated him on his victory and then told him that her child was seriously ill and near death. She did not know how she could pay the doctor’s bills and hospital expenses.
De Vincenzo was touched by her story, and he took out a pen and endorsed his winning check for payment to the woman. “Make some good days for the baby,” he said as he pressed the check into her hand.
The next week he was having lunch in a country club when a Professional Golf Association official came to his table. “Some of the boys in the parking lot last week told me you met a young woman there after you won that tournament.”
De Vincenzo nodded. “Well,” said the official, “I have news for you. She’s a phony. She has no sick baby. She’s not even married. She fleeced you, my friend.”
“You mean there is no baby who is dying?” said De Vincenzo.
“That’s right,” said the official.
“That’s the best news I’ve heard all week,” De Vincenzo said.


「深いところに、火が灯った」

A 3rd Serving of Chicken Soup for the Soul: More Stories to Open the Heart and Rekindle the Spirit (English Edition)

A 3rd Serving of Chicken Soup for the Soul: More Stories to Open the Heart and Rekindle the Spirit (English Edition)

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
にほんブログ村


洋書ランキングへ

Grit (Angela Duckworth) - 「GRIT - やり抜く力」- 160冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆

「GRIT」とは「歯を食いしばって頑張る」という意味だそうですね。 すべての活動は究極のゴールのための中間目標ととらえて、限られたリソースを本当にやりたい事に集中させるという方法論の効果を心理学者である著者は説いています。 これってGreg Mackeownの「Essentialism 」(21冊目に感想)に通じる内容みたい。(2016年発刊)

著者は戦略コンサルのマッキンゼー出身だそうです。 このコンサルから学校教師の経験をを経て、現在は心理学者としてのキャリアを確立されています。 著者いわく、そもそもこの本を書くキッカケとなったのは、学校教師時代に気がついたというIQの高低と学業成績が想定ほどに相関関係にないという点でした。 それではより相関がある特質は何か? 著者が見つけたものがGRIT、つまり「やり抜く」力、粘り強さだったとの事です。
繰り返しが多く少し冗長な気もしましたが、この傾向は他の科学系読み物にもよくあるように思います。 知っている事をすべて盛り込みたいとの想いがあるからでしょうか。
別の人(リンダ・キャプラン)が同名の本を出版されていますが、そちらは未読です。


メモポイント

● 将棋の羽生さんも言ってました。
「何かに挑戦したら確実に報われるのであれば 、誰でも必ず挑戦するだろう 。報われないかもしれないところで 、同じ情熱 、気力 、モチベ ーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり 、私は 、それこそが才能だと思っている 」(羽生善治「決断力」)

Apparently, it was critically important—and not at all easy—to keep going after failure: “Some people are great when things are going well, but they fall apart when things aren’t.”


● 進化論のダーウィンは、本人も認めるスローラーンナーでした。 彼の業績は、コツコツ積み重ねるタイプのGrit にて成し遂げられたのだと。

On the whole, Darwin’s biographers don’t claim he possessed supernatural intelligence. He was certainly intelligent, but insights didn’t come to him in lightning flashes. He was, in a sense, a plodder. Darwin’s own autobiography corroborates this view: “I have no great quickness of apprehension [that] is so remarkable in some clever men,” he admits.


ニーチェの言葉。「あいつは天才だからね。 そう言ってしまえばそりゃ楽だろう。 天賦の才があると言ってしまえば、相手は神さまのようなモンだから自分と比べなくて済んじまうからな」

“Our vanity, our self-love, promotes the cult of the genius,” Nietzsche said. “For if we think of genius as something magical, we are not obliged to compare ourselves and find ourselves lacking. … To call someone ‘divine’ means: ‘here there is no need to compete.’ ”

立川談春「赤めだか」を思い出しました。 談志が談春に諭した「お前に嫉妬とは何かを教えてやる…」の逸話。


● 著者の唱える「成果」の公式。
才能 × 2 (努力) = スキル
スキル × 努力 = 成果
「スキル」を身につけるには才能が貢献するのは間違いない。 が、それにレバレッジをかけるのは「努力」の要素だ。 そしてそのスキルを成果に結びつけるのも「努力」だと著者は説く。

What this theory says is that when you consider individuals in identical circumstances, what each achieves depends on just two things, talent and effort. Talent—how fast we improve in skill—absolutely matters. But effort factors into the calculations twice, not once. Effort builds skill. At the very same time, effort makes skill productive.


● genius の定義とは。

If you define genius as being able to accomplish great things in life without effort, then he was right: I’m no genius, and neither is he. But if, instead, you define genius as working toward excellence, ceaselessly, with every element of your being—then, in fact, my dad is a genius, and so am I, and so is Coates, and, if you’re willing, so are you.


示唆に富む内容です。 データの検証という点から見て、「やり抜く力」という概念と効果の因果関係を科学的に証明するのは、少し精神論に偏っていると取られがちで難しいだろうなと感じました。 が、やるせなさを堪えて努力を積み重ねている多くのチャレンジャーにとって、本書は福音の書といえるでしょう。

「すべてのボクのようなロクデナシのために」、この本はオススメです。

Grit: The Power of Passion and Perseverance

Grit: The Power of Passion and Perseverance

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
にほんブログ村


洋書ランキングへ