ジャンル: その他
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★☆☆
100冊目のキリ番はレイチェル・カーソンの「The Sense of Wonder 」
土曜日の早朝、木がいっぱい生い茂っている近くの公園をヨメさんとよく歩いている。 彼女は「自分の生徒たちに四季の自然について伝えるんだ」と、朝からiPhone を片手にパシャパシャといろんなものの写真を撮っている。 「ネットでも手に入るんじゃないの?」と言うと、「自分で撮るからこそ良いんじゃない。 人のだと意味ないの!」と言われてしまった。 臨場感が大事らしい。 で、一緒になって自然っぽいものを探すと結構面白い。 イガ栗の実や真っ赤な楓の葉っぱ、カミキリ虫やセミの脱け殻までバラエティーに富んでいる。 そうしてネタを物色しながら歩いていると、この『Sense of Wonder 』を思い出した。 センス・オブ・ワンダーとは自然とのふれあいで感じる不思議な感覚のことだそうだ。 ネットではなく実際に手で触れると、確かに四季をよく感じ取ることができる。
レイチェル・カーソンは『Silent Spring (沈黙の春)』(8冊目)でも紹介した海洋生物学者だ。 幼な子の甥のロジャーを毛布にくるみ、二人して自然散策した時のエッセイ。(母親を亡くしたロジャーはレイチェルの養子となった) この本はロジャーに捧げられたものだ。 紹介する版はキンドルじゃないんだけどオススメです。 何より写真が素晴らしい。写真集として愛でましょう。 (初出は1956年)
メモポイント
● 「もし子供たちの成長を見守る妖精に私が話しかける力があるのなら、世界中の子供たちに、生涯消えることのないセンス・オブ・ワンダー(自然の素晴らしさ・不思議さを楽しめる感性)を授けて上げて欲しいと頼むでしょう。」
If I had influence with the good fairy... I should ask that her gift to each child in the world be a sense of wonder so indestructible that it would last throughout life.
● サン・テグジュベリに通じる感性派。 知識を得ることより感じることを大事にしたい。
It is not half so important to know as to feel.
この本を読むと、「ご冗談でしょう」の物理学者ファインマンさんが幼い頃にお父さんと森を散歩するシーンを思い出した。 科学者でもなんでもないお父さん(確か車のセールスマン→ 確認したら制服のセールスマンでした。)は 単に物の名前を知ってることとその物自体を知ることとはまったく違うということを幼いファインマン少年に伝えた。 このお父さんもセンス・オブ・ワンダーの持ち主か。 『Surely You're Joking, Mr. Feynman!』もオススメの一冊。
- 作者: Rachel Carson
- 出版社/メーカー: Harper
- 発売日: 1998/05/01
- メディア: ハードカバー
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