ジャンル: 古典
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★☆☆☆
「洋書読みの洋書知らず」が「The Analects (論語)」を読んでみました。 英語のフィルターを通しているためか、意味の理解度としては漢文で読むよりも分かりやすかったような気がします。 が、「心で読む」というレベルでいくとキチンと読むことができていなかったようです。 また日本語の読み下し文の踊るようなリズム感も英文になると消えてしまうようで…
四大哲学者の一人である孔子の教えであり、本来は座右の書となるべきグレードの本作を、こんな「えー加減」な読みのままにしておくわけにはいきません。 スマンカッタ… 何度も何度も染み込むように繰り返し読むべきなのでしょう。 のちに再読したいと思います。
メモポイント
(幼い頃からの刷り込みのためか、やはり日本語の読み下し文の方がリズミカルでしっくりくるようです)
● A man who has committed a mistake and doesn’t correct it is committing another mistake.
過ちて改めざるこれを過ちという
● If you see what is right and fail to act on it, you lack courage.
義を見てせざるは勇無きなり
● Fine words and an insinuating appearance are seldom associated with true virtue.
巧言令色鮮し仁
● Confess your ignorance, and you will escape ignorance.
知らざるを知らずとなすこれ知るなり
少しThe Analects から外れてしまいますが、明治時代に日本の資本主義の礎を築いた澁澤栄一翁が「論語と算盤」という本を書いていますが、こちらは読みやすい。 徳育を精神的支柱として商業の公共性 ・社会性を身につけて、拝金主義 ・利己主義を抑止すべきと書いています。
以下、「論語と算盤」からメモポイント。
● 冷徹なビジネスマンである澁澤翁は孔子の哲学を次のように考えていました。 不思議や奇跡を信じる人を否定はしないが、まずは事実を重んじる。
「しかして余は 、宗教として将た経文としては 、耶蘇の教えがよいのであろうが 、人間の守る道としては孔子の教えがよいと思う 。こはあるいは余が一家言たるの嫌いがあるかもしれぬが 、ことに孔子に対して信頼の程度を高めさせる所は 、奇跡が一つもないという点である 。基督にせよ 、釈迦にせよ 、奇跡がたくさんにある 。耶蘇は磔せられた後三日にして蘇生したというがごときは 、明らかに奇蹟ではないか 。もっとも優れた人のことであるから 、必ずそういうことは無いと断言もできず 、それらは凡智の測り知らざる所であるといわねばなるまいが 、しかしこれを信ずれば迷信に陥りはすまいか 。」
● これも翁の気概を見せた一文です。 生涯、プリンシプルを貫く事にこだわった白洲次郎のようです。
「苟も事の成敗以外に超然として立ち 、道理に則って一身を終始するならば 、成功失敗のごときは愚か 、それ以上に価値ある生涯を送ることができるのである 。況んや成功は人たるの務めを完うしたるより生ずる糟粕たるにおいては 、なおさら意に介するに足らぬではないか。」
あと一つ。 肝に銘じて置くべき言葉がありました。 本読みの自分への戒めとしたいと思います。
「To study and not think is a waste. To think and not study is dangerous.」
学びて思わざればすなわちくらし、思いて学ばざればすなわちあやうし
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