hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

What If? (Randall Munroe) - 「ホワット イフ? : 野球のボールを光速で投げたらどうなるか?」- 268冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★☆☆☆

 ひと昔前に柳田理科雄さんの「空想科学読本」という本がベストセラーになりました。 ウルトラマンをはじめ空想SFの世界を科学者の目で大真面目に考察・検証するというものです。 例えば、ウルトラマンは身長が40mもあるので、地球の重力の影響下でその体重を支えるためには、本来でっぷりしているはず、等々。 本書もそんな内容を期待して手にしたのですが、まさにその通りの内容でした。 しかしこちらの方が少しブラックジョークが効いてましたね。どの結果も最後にはやたら人類が滅亡しがちです。
(2014年発刊)


メモポイント
⚫︎ ホームズの「踊る人形」のような挿絵のマンガ、味があって可愛い。「もしも地球の自転が止まったら」、の話。 自転が止まった地球を心配する月のセリフが良い。「どうしちゃったの?アース。心配しないで。僕はきみを見離さないよ。」

「星の王子様」の星に住んでみたら…

“Did you eat my rose?” “Maybe.”


⚫︎ 邦訳本の副題の元にもなった「光速の90%のスピードで投げられた野球のボールを打つとどうなるか?」について。 その破壊力の凄まじさを延々と説明しているが、最後の締めはコレ。

Q. What would happen if you tried to hit a baseball pitched at 90 percent the speed of light?

Everything within roughly a mile of the park would be leveled, and a firestorm would engulf the surrounding city. The baseball diamond, now a sizable crater, would be centered a few hundred feet behind the former location of the backstop.

(中略)
Major League Baseball Rule 6.08(b) suggests that in this situation, the batter would be considered “hit by pitch,” and would be eligible to advance to first base.

エンタイトル ワンベース


⚫︎ 放射線の防御シールドとして水がこれほど有効であるとは知らなかった

For the kinds of radiation coming off spent nuclear fuel, every 7 centimeters of water cuts the amount of radiation in half.


⚫︎ 気持ち悪い表現が好きみたい。
Then things get weird. The blood wraps around the bullet, forming a growing dark red sphere whose surface hums and vibrates with ripples moving too fast to see.

ちょっと悪趣味。Mole(モグラ)とMole(モル、単位)の話は死骸からでるガスの話とか、なかなかグロテスク、でもそこが面白い。



 全体的には楽しんで読めましたが、しかし最後の方ではこのパターンにちょっと飽きてきました。 純粋に数学的・科学的見地から興味が惹かれる本でオススメなのは、なんと言ってもサイモン・シンの著書ですね。 「Fermat's Last Theorem (フェルマーの最終定理)」(197冊目)を読んだ時には、クライマックスの感動で震えましたー。

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