hearthのお気楽洋書多読ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (Twitter: @hearth2016)

The Flying Classroom (Erich Kastner) - 「飛ぶ教室」 - 151冊目

ジャンル: 小説(児童)
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★★☆

ずーっと昔に児童書で読んでスゴく感動した本。 エーリッヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」。キンドルの英語版があれば再読したいなと思ってずっと探していました。 で、やっと見つけた! やっぱりイイ! これは文句なしのオススメです。 英語も簡単で読みやすい。

ドイツの寮制学校(gymnasium)を舞台に繰り広げられる少年たちの熱い友情物語。 他校との喧嘩あり、親を慕う子供のせつない心あり。 この学校を舞台にした様々な出来事を少年たちは悩みながらも一生懸命乗り越えていきます。
そして最後には思わず、「ウンウン、良かったね」と言ってしまった…(1933年発刊)


メモポイント (ネタバレ注意!)

● 子供心を持ち続けることの大切さ。 サン・デグジュペリ思い出す。 この物語、前置きが長くてなかなか小説の本題に入らないのですが、実はこの前段も味わい深いです。
勇気と知恵。 どちらが欠けてもダメ。

If you stand up to the first blows of fate, you’re well on the way to winning. Because in spite of the blows that you have received, you’ll have the presence of mind to activate two very important qualities: courage and intelligence. Remember what I tell you: courage without intelligence doesn’t amount to anything, and intelligence without courage is no good either. At many times in the history of the world, stupid people have been brave and intelligent people have been cowardly. That wasn’t the way to go about it.


● 本作、不思議なタイトルです。 学校主催のクリスマス会の出し物として少年たちは演劇を行う事になりました。 自分たちで作ったその演劇のタイトルがこの「flying classroom (飛ぶ教室)」。 「ピートのふしぎなガレージ」みたいに飛行機に乗って、ベスビオ火山やギザのピラミッドなど、アチコチに「教室」が飛んで移動するという脚本。 劇中には少女に扮する可憐な美少年も出てきますが、上級生たちがみんな彼にメロメロに…


● それぞれの少年が特徴を生かして活躍。 正義感の強いリーダー(Martin)がいれば、文才溢れる作家志望の少年(Johnny)、勉強は苦手だが腕っぷしの強い奴(Matz)もいる。シニカルな交渉屋(Sebastian)や気が弱いけど少女と見まごうほどの可憐で優しい子(Uli)まで。 カンペキな奴はいないけれど、お互いにそれぞれの存在を認めあって尊敬と友情で結ばれている。(この辺り、ちょっと「スタンドバイミー」を思い出します。) 特にMartin のリーダーっぷりがスゴイ。(脳内キャストはもちろん、リバー・フェニックスですが) 敵チームから捕虜となった友達を奪還するシーンの采配ぶりときたら惚れ惚れします。「よし、みんな用意はいいか? 行くぞ!」大したもんだ。

Martin looked at his friend Johnny. ‘Are there enough of us?’ Johnny nodded. ‘Off we go then!’ cried the form captain. ‘Over the fence to the allotment gardens! And let’s get a move on! We’ll meet at No-Smoking’s place!’


● 寮監のJustus先生、彼もいいですね。 少年たちから畏敬の念で慕われています。 ハリーポッターダンブルドア校長かマグゴナガル先生みたい。(年寄りじゃないけど)
敵チームの捕虜になった仲間を助けるために、無断外出するという寮の規則を侵して傷だらけになって寮に戻ったMartin たち。 嫌味な上級生TheodorはMartin たちの規則違反をJustus にチクります。 公正を重んじるJustus先生はMartin たちに罰則を与えますが…

'Very well, you can have the punishment you’re so keen to take. I forbid you to go out on the first free afternoon following the Christmas holidays. That will satisfy the boarding house rules, won’t it?’ Dr Bökh (Justus先生のこと) looked inquiringly at the sixth-former.
‘Of course, sir,’ handsome Theodor was quick to reply.
‘And on that afternoon marked out for your punishment, the five of you are invited up here to the tower as my guests. We’ll have coffee and a nice chat. That’s not in the boarding house rules, but I don’t think there can be any objection. Do you?’ Once again he looked at the sixth-former.
‘Certainly not, sir,’ said handsome Theodor in dulcet tones.

ホント、「グリフィンドールに10点!」て感じ。


● シニカルで頭のきれる少年Sebastian。 少年たちの中では冷静な参謀役。 彼には珍しく自分の心情を吐露します。
「ほんとは自分も臆病なんだ。でもそれを周りに見せないようにするだけの知恵があるだけさ。みんな誰しも劣等感を持っているんだよ。」

But have you ever stopped to wonder whether I, for instance, am brave? No, you’ve never noticed anything! So I’ll tell you now, in confidence, that as it happens I’m unusually cowardly. However, I’m clever, so I don’t let it show. I’m not all that bothered about my lack of courage. I’m not ashamed of it. I know that we all have our flaws and weaknesses. It’s just a matter of not letting other people notice them.’


● Mr. Non-smoking という少年たちの友人である大人が登場します。鉄道会社から払い受けた「禁煙車」の看板が付いた車両を庭に置いて、その中でたくさんの本に囲まれて隠遁生活をおくる「喫煙者」です。 歳の頃なら35,6歳といったところ。彼と少年たちの絆がとてもいい。 時には悩んで道を踏み外しそうになる彼らをMr. Non-smoking は人生の先輩として暖かく見守ってくれます。 実はMr.Non-smorking の過去にはある秘密があり… あとは読んでのお楽しみ。


ところで、読書猿の中の人、くるぶしさんのお話(小説?)にも「禁煙さん」という人が出て来ますが、このMr. Non-smoking がモチーフなんでしょうかね。 歳下の友人に対しても真摯な態度で向き合う知的な大人というところが共通点でしょうか。 (くるぶしさんの「禁煙さん」は知的な美女という設定ですが。 ぼくはこのくるぶし版の「禁煙さん」と図書館の「司書」さんとの掛け合いの話が好きなんです。 ) もしよければ、「読書猿」「禁煙さん」でググッてみて下さいね。

The Flying Classroom (Pushkin Children's Collection)

The Flying Classroom (Pushkin Children's Collection)

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