hearthのお気楽洋書ブログ

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An Inconvenient Truth (Al Gore) - 「不都合な真実」- 174冊目

ジャンル: サイエンス・ロジック
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★☆☆


写真がいっぱい。パンフレットのようにカラフルな本です。 元々のオリジナルは映画作品。 民主党クリントン政権で副大統領を務めたアル・ゴアが手掛けた(主演した)ドキュメンタリー映画がこの「不都合な真実」でした。 本作はこの映像作品を書籍化したものなので写真が多い。 彼はこの作品で2006年にアカデミー賞を受賞、そして温暖化の注意喚起を世界にもたらした功績により2007年にはノーベル平和賞も受賞しています。(2007年発刊)

映画封切り、書籍出版された2007年頃、温暖化については現在よりも賛否両論。「適当な事、言ってんじゃないよ!」なんて扱いもかなりありました。 ぼく自身も経験しています。  仕事の関係でアメリカ本社から来日したある幹部社員を市内観光に連れ出した事がありました。 まだ30代ぐらいの男性でとても穏やかなヤングエグゼクティブといった趣きの人でしたが、たまたまアル・ゴアの話題になった時に「あいつは大ウソつきだ! 温暖化なんて踊らされているだけ。 まったく科学的根拠もない!」と吐き捨てるように言われた時にはとても驚いたもんです。 雰囲気が悪くなりそうなのでそれとなく話題を変えたのですが、それにしても何がどうなってここまで嫌悪感を持つにいたったのでしょう? 共和党支持者だったのかな? 政治問題も絡んでいたのかもしれません。

そしてあれから10年。 2017年現在、アル・ゴアは「An Inconvenient Sequel: Truth To Power (不都合な真実2 放置された地球)」という続編映画をまた製作しました。 一作目の発表当時には賛否両論があったものの自分の警鐘はやはり間違っていなかったと主張しています。

専門家ではないですがぼくも10年を経た今になって感じます。 やはりCO2排出と地球温暖化には密接な結びつきがあると。 毎年発生する超ド級ハリケーンやフィリピンの台風、ゲリラ豪雨等々の被害により多くの人が亡くなっています。 日本においても温暖化前線が北上し始めており生態系も徐々に変化しているようです。 (寒冷地の北海道では昔は栽培できなかった米が現在では収穫できるようになっています。 「ゆめぴりか」が有名ですね。) 批判者が言うとおりアル・ゴアが唱えた主張にはいくつかの科学的根拠が薄いものがあることは否めません。 しかしこれをもって地球温暖化がまったく根拠レスという事にはならないでしょう。 ぼくの現在の考えとしては、「温暖化は事実として存在する。 しかし果たして人類の努力によって温暖化を止める事ができるのかどうか」というものです。 厭世的になりたいわけではありませんが、ここに至ってもトランプさんは「温暖化は存在しない」と断言してパリ協定から離脱を発表するし、中国やインド等の経済が目覚ましく発展している国々は、過去の先進国たちのみがCO2をバンバン排出しておきながら、後続者たちには「排出を削減しろ」といっても言う事を聞かないという状況です。 耳に痛い話ですから誰も手を付けたくありません。 そうして「お見合い」状態のまま、世界全体が下り坂を転がり落ちつつ徐々に加速度を増しているような気がします。

続編映画が封切られる今、このオリジナル書籍にまた目を通してみたいと思います。

An Inconvenient Truth: The Crisis of Global Warming

An Inconvenient Truth: The Crisis of Global Warming

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