hearthのお気楽洋書ブログ

洋書読みの洋書知らず。永遠の初心者。 まったりとkindleで多読記録を更新中 (ツイッターは、hearth@洋書&映画)

Surprise Party (William Katz) - 「恐怖の誕生パーティー」- 251冊目

ジャンル: 小説(推理)
英語難易度: ★★☆
オススメ度: ★★★★☆

  読後感あちゃーのイヤミスとして、純粋にハラハラドキドキを楽しむ話。心臓に良くない。 ずいぶん前に翻訳本「恐怖の誕生パーティー」として読んだのですが、ページをめくる手が止まらなかった事を覚えてます。それ以来、一度原書で読み返したいと思って探していましたが、その後それほど話題にならなかったのか、ずっと見つからず、先日やっとKindleで見つけたので迷わず購入。あまり目にすることのない慣用句が散りばめられているものの、全体としてはかなり英文は読みやすいと感じました。なぜもっと話題にならなかったのかと思うぐらい面白い。文句無しの徹夜本です、ハイ。
 
 簡単に粗筋を。
 理想の旦那様マーティと結婚した新妻サマンサ。幸せいっぱいの彼女は愛しの旦那様の40歳の誕生日の12月5日に友人知人を招いて盛大なパーティーを企画する。そして、当日のサプライズ企画は彼の子供の頃からの友人達のビデオレターを作って流そうと言うもの。「きっと彼は喜ぶわ」ウキウキ気分の彼女を待っていたのは驚きの事実。出身校や軍隊士官学校、どこに問い合わせてもそのような人物は存在しないとの返事、彼は過去が無い男だった。 奇しくもこの同じ12月5日に鳶色の髪を持つ若い女性をターゲットにした連続殺人事件が毎年発生していた。そして新妻サマンサの髪は鳶色だった…
(1984年発刊)


メモポイント(ネタバレあります。ご注意!)

● 中国系アメリカ人の刑事でヤンというキャラクターが良い。誠実でありプロフェッショナルであり。

 "I had other chances to get married," Samantha continued. Now she just wanted to talk, even if she wavered off the subject. "One of the guys was a foreign correspondent. Now, wouldn't that have been nice? But I had to wait for Martin Everett Shaw. No one else was good enough for cute little Samantha."
      "Don't say that about yourself," Yang cautioned. "We all wait for the best. I think you were right."
       Samantha stared at Yang, stared deeply into his eyes. "You see a lot like me, don't you?" she asked.
       "All the time," he replied. "And I want you to avoid the usual pattern. Many women start feeling that they're at fault if their husband disappears, or has Marty's kind of problem. I see this beginning in you. The problem is his, not yours. If he's done something wrong, you share no blame."
       "Thank you," Samantha said quietly. For the second time she'd met a man who was totally understanding and sympathetic. The first time had been Marty.


● 映画「ガス燈」のイングリッド・バーグマンの心情がよく分かる。信じていた旦那様の実態が… 隣で笑っているあなたは一体誰なの?


● 昔、読んだ時はそれほど感じなかったけど、サプライズパーティーするにしても、ここまで過去を調べてやるもんかなー、普通。 鶴瓶 師匠のA-Studioも顔負けの熱意。 日本人には余りない習慣のような気がします。

 
 「国家の特殊任務が絡んでいて過去履歴が極秘なのかも」最後まで愛する旦那を信じたいとすがる思いのサマンサの気持ちがよく分かる。後半山場の彼女の心理描写は見事で、読み始めると止まりません。土曜日辺りに読み始めるのが吉。
 同じく過去の無い人が出てくる話では、宮部みゆきの「All She Was Worth (火車)」(211冊目)がオススメです。

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